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社長室 業務日誌

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2005/04/28
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前回までの、つらつらした考えを通じて、
ビジネスにおいて「勝つということ」は、
スポーツのそれと異なり、
「自分の絶対的パフォーマンスの最大化」
(=スポーツにおいて「勝つ」という
  目標達成の過程としての作業 ならびに その心構え)
に注目すべきではないか、という仮説が導かれている。

――――――――――――――――――

棋士(=プロ将棋プレイヤー)で、
名人位を極めるような人は、皆、
勝敗そのものや運命、勝負師としての人生観、敗北の捉え方、
といった「勝負への美学」を強く確立している。

めちゃくちゃ、参考になる。

――――――――――――――――――

『 スポーツと将棋の共通点は、
  自分の考えや経験でよりよい駒をつくっていく過程である。
  「歩」を「と金」に変えたりしながら、
  盤上に強いチームを構成していくのである 』

『 第二の共通点は、
  持ち駒の数が対戦相手より勝っていたとしても、
  必ずしも局面がよくなるわけではない。
  また、数ではなく個の強さで勝っていたとしても、
  不利な状況を打開できるわけではない。
  重要なのは、効率とバランスである。
  持ち駒の数や強さで劣っていても、
  盤上の駒の効率がよければ勝機を見出せる 』

(羽生善治『簡単に、単純に考える』(PHP)より)

――――――――――――――――――

上記、スポーツを「企業経営」に置き換えてみよう。

仮に、敗戦が続いたとしようか。仮にネ。

その責務の一切は、全て「経営者(マネジャー)」の采配手腕にある。
「株主・オーナー」の資本力ではなく、
「従業員」の質量でもない。

よって、思考・行動を改めるべきは「経営者(マネジャー)」である。
なぜならば、最も迅速な全体効率の改善策が、それだからである。

そして、自ら改まらないのであれば、
残念ながら、やはり変わるしかない、のである。

――――――――――――――――――

もし、本当に戦力の質量が不足しているのなら。

「勝つために何が不足しているのか/何を補強すればいいのか」
「補強のために、いくら資本投下すればいいのか」
「この経営者(マネジャー)達に、
 いくら資本投下すれば、いくら帰ってくるのか」

上記が、補強云々に先んじて検討されるべき議論であろう。

そしてそれは、
現状のままでの最大パフォーマンス(ストレッチしきった状態)
を見せた(=完全に証明し切った)上で、初めて議論されるものである。

――――――――――――――――――

現有戦力のままでの最大ストレッチを証明する行為。
それは、涙ぐましい努力になるだろう。

だって、昨日、売りに行った商品を、もう一度売りに行くんだよ。
昨日、買ったのに、なんでもう一個買うんだよ。ありえねー。

昨日と同じサービスを、ユーザーに提供して、
昨日より満足してもらわないといけないんだよ。。。どうせいっちゅうねん。

昨日、空振りしたボールを、打てるようになる、ということだ。
そのカウントまで追い込まれる前に打つ、ってことかな。。。

昨日、ボコスカに打たれたピッチャーを、
もう一度、マウンドに送り込むことだ。なんて胃が痛い仕事だろう。

しかし、その過程を経て、経営者・従業員達は
「戦うために必要な心構え」
「投下された資本を、最大限に活用する体力・技術」
を獲得する。

そうして初めて、戦力補強・新規投資を受け入れる土壌が生まれる。

土壌とは、経営者(マネジャー)層そのものを指している。

その土壌整備なしに新たな肥料(=新規資本投下)をしても、
恐らく、垂れ流しとなり、新たな芽は息吹かないことだろう。

――――――――――――――――――

財務的に表現すると、
「ROIレベルの高次元での定数化維持」
を、投資家へ証明する作業である、と言い換えられる。

通常の日本の弱い会社は、
企業成長に伴って(=企業リスク低下に伴って)
その個人レベルの闘争心の低下や、
それが引き起こす組織統率力の低下というダブルパンチを食らう。
そして、成長力を落とす。

気づかないうちに。

わかりやすく言うと、
ぬるくなっても食べていけるから、ぬるくなる。
少しくらい成長力が落ちたって、いいじゃん。て思っちゃう、
ということ。

投資家から見ると、I(投下資本)の絶対値の増大と共に、
ROIを低下させていく組織。というように映る。

このため、ハイグロース運用を実現するために、
投下資本を、より小さな組織・企業へと配分していく。

具体的には、
楽天より、モバオク。
エンジャパンより、ディップ。
サイバーエージェントより、オプト。

大きい会社のPER(期待値)が低くて、
小さい会社のPER(期待値)が高くついちゃう傾向の、
大きな要因の一つであろう。

もう一度いうが、その配分行動の本質は、
小さいから、ではなく、高ROIを求めて、
の投資家としての必然的欲求に基づいている。

僕達の1兆円という時価総額は、
「ハイグロース運用の投資対象として値する=高ROIだから」
という理由で付けてもらっている。

1兆円というレベルで、かつPER70~80倍というレンジ。
まさに伸び盛り、といったベンチャー企業が受ける期待値ではないか。

だから、投資家達は僕達に質問する。
「なんか、最近、大企業化してきてない? とても心配だよ~」

これを、世間話として聞き流してはいけない。
彼ら投資家は、本気で心配しているのだ。

もし僕達が、高ROIでなくなっていく、
=つまり、ヌルヌル・ユルユルの人達になっている
=びっくりするくらいの高成長でなくなっている、とするならば。

そうなってなくても、そう映ってしまい始めているとするならば。

ドンドン、僕達の評価は下がっていくであろう。

そして、社会(投資家)は、僕達に資金を出してくれなくなってしまう。

そして、僕達は、新たな勝負にスピーディに挑むための、
資金調達ができなくなってしまう。

そして、僕達は、なんだかフツーのスピード感に陥ってしまう。

そして、僕達は、なんだかフツーの人生を送っていく。

そんなの、いやだなあ。

――――――――――――――――――

昨年、僕達のある部署が、全く新規の経営資源投入を停止された。

一銭も使うこと許さず、現有戦力・現有商品でのみ前年比成長せよ、
という方針。

放置プレイだ、責任放棄だ、イヂメ? という人もいた。

何も新サービス投入ができない一年。
現場の当事者たる経営者(マネジャー)の人たちは、
忸怩たる心境だったろうこと、察するに余りある。

しかし、現有の体力・知力・根性のみを使って、
結局、目標を果たした。

まさに、
『現有戦力での最大パフォーマンス証明』を通じ、
経営者・マネジャー層は強い「個」に育った。
新規投資してもらえるに値する土壌へと。

「ROIレベルの高次元での定数化維持」
を証明した。

――――――――――――――――――

きっと、野球やサッカーの選手・コーチの人なんて、
そんなこと露も知らないと思う。

だが、もし、僕達と一緒に戦うチームの一員なのであれば。

野球だけ、その資本配分ルールを例外適用するのはおかしい。
サッカーだけ、特別扱いするなんておかしい。

だから、監督=経営者(マネジャー)層は、
現有戦力下での最大パフォーマンスを証明せよ。

僕は、今の勝ち星が、最大パフォーマンスだなんて思わない。

僕達の仲間は、昨年、証明したんだから。
そして、次の世界に歩みを進めているんだから。

仮に、もし、誰かが特別扱いをするとしても。

僕や、投資家は見ている。そして、絶対に許さないだろう。

以上






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Last updated  2005/04/29 04:44:58 PM
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