社長室　業務日誌

男女問わず、ひと目会っただけで、強烈なオーラを感じる人がいる。
強烈に惹きつけられたり、逆に違和感を感じたり。

全ては、初対面のその瞬間に。

後の数十分は、第一印象の確認に過ぎない。

自信満々でも、薄っぺらい人もいるし、
控えめでも、溢れ漂う自信・信頼感を感じる人もいる。

この違いを生む要因は何だろうか？　

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その一つの要因は、”目つき”、”目力”が大きいのではないか。

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では、どういう”目”が、強烈な印象を残すのだろうか。

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うちのＰＣの壁紙は、フェルメール作『真珠の耳飾りの少女』だ。

理由は、一番、印象に残る絵だから。
好きとかじゃなくて。

別名『青いターバンの少女』とも称される。
オランダ・ハーグのマウリッツハイス美術館に展示される。

『北欧のモナリザ』と評される、この『少女像』。

妙に、その視線が鑑賞者の印象に残るらしい。
僕だけではなく、みんなそうらしい。

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この作品が、人々の印象に焼きつく、
その理由の考察を通じて、
人に強い印象を残す要素、について、少し考えてみよう。

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フェルメールの絵は日常生活の一瞬を切り取った視角が多い。

壁の陰からや窓の外の離れた位置から等『覗き』感覚であり、
モデルの構図・表情も作者・観賞者を、全く意識していない。
劇中の一場面をまるで切り取ったかのようだ。

驚きや悩みの表情や、手紙を読む、受け取る瞬間が多く描写されている。

観賞者は他人を覗き見た感覚と共に、その表情の背景、場面の背景に思考を巡らす。

浮気相手からの手紙を他人から手渡されたから驚き焦っているのでは？とか、
下世話な方に思いが巡るように描かれている、かのようだ。

結果、『覗き』がもたらす妙な興奮と満足感。
インモラルな愉悦感にも通じた、一種の優越感。

このように、彼の作品の多くは、
ドアの隙間や、隣家の窓から覗き見るかのような視角・構図から描かれている。

これらの絵画を数枚鑑賞した後、
同美術館の展示コースに歩を進めると、観賞者は一つの絵と”ぶつかる”。

それが、この少女像。

この絵だけ、観賞者の視角が少女の視線とぶつかるように設計されている。

観賞者は驚く。

先ほどまで、感じていたインモラルな感覚を、
逆に見抜かれたかのような錯覚。
悪戯を発見されたかのような焦燥感。

しかし、正確に言えば、
実際には、鑑賞者が勝手に自らの想像の中で焦燥している。

くぅぅぅ。

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もしかしたら、
鑑賞者の想像を働かせるよう、
少女像には、特に背景に何も書き込まれず、
ただ闇のような黒が塗り込められているのではないだろうか。

突然、暗闇からフッと現われたかのような錯覚を感じる。

ＴＶを通じてではなく、
収蔵する美術館で直接に鑑賞する方が印象に残る、というのは、
一連のシリーズものとして数枚の作品を『覗いた』後、
最後に自らが『覗かれる』、『見抜かれる』かの如き感覚を味わうためだろう。

仮に、フェルメールが生涯を通じて、
人々の「印象に残る」絵を追求し、
数枚のシリーズものとして一連の作品を設計したのだとしたら、
驚きを隠せない。

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この少女像のエピソードからわかるのは、

「あんたが、勝手に驚いてるだけやんｗ」

ということだ。

そう、彼女は、こちらが驚いていることなど、
全く意識すらしていないかもしれない。

ただ、まっすぐにこちらを見つめているだけなのかも・・・。

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（仮説）
相手に強い印象を与えるには、”目力”だ。
どうしたら、目力って強くなるのか？　

（検証）
どうも、そうではなくて、相手が勝手に畏怖している可能性がある。
目とか云々の前に、勝手に畏怖している可能性がある。

（演繹的仮説）
じゃあ、最初は、あまりしゃべらずに、
まっすぐに相手を見つめれば、相手がリアクションをする。
それから、対応を決めればいいかもしれない。

以上