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僕は、もう、おばあちゃんに、恩返しをすることはできない。 その後悔の気持が、それも、葬式で流した涙の理由かもしれない。 ――――――― でも、元々、恩返しなんて、することは、 そもそも無理だったのかもしれないね。 なぜなら、向こうが恩返しを期待していなかったから。 「恩返し」を通じた満足は生み出せ得なかった、のかもしれない。 ――――――― なぜそう思うかというとね、 これも碧くんを見ていて思ったことなんだけどね、 不思議なことに、僕ね、君から、恩返しを全く期待してないんだよ。 現在も、将来にわたっても。 ただ、単純に、君を喜ばせると楽しいの。 君が笑っても、泣き喚いても、怒ってモノを投げても、 シンプルに楽しいんだよ。心が充足しているの。 もし、仮に、君が僕のことを大嫌いになっても、 完全に興味がなくなって、無視したとしても、 一回も会いに来なくなったとしても、 僕、多分、OKです。 なぜならば、だって、 それも、元気にしてるって裏返しだからかな。 君が、元気に、生きてる。らしい。 ということだけで、多分、僕、OKだなって、思うんだよね。 不思議なんだけど。 偉くならなくても、 不良になっても、人に迷惑かけても、 仮に、こっちに借金ひっかぶせてきたとしても、 もしかしたら、それでもOKかもしれない。 そうだね、一つだけ期待するとしたら。 生きてて欲しい、ってくらいかしら。 ――――――― おばあちゃんも、きっと、僕に、そう思っていたと思う。 何にも恩返し要らない。 ただ、元気にいて欲しい。と。 なんか、そんな感じだった気がする。 ――――――― もし、そうだとするならば。 僕は、ただ、シンプルに、生きていれば、 おばあちゃん的にはOK、ということになる。 僕は、 おばあちゃんに、十分に恩返しできなかった、 という後悔をせずとも、 ただ、自分の人生を生きればよい、 ということになる。 以上 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2005/06/23 03:32:20 AM
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