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事業計画とは、何か。 事業計画に投資するのではない。 それを書いた、その人に投資するのである。 それに関わる、その人達に投資するのである。 ―――――――――――――― 前の会社の、審査部長に言われたことがある。 それまで審査部は敵だと思って大嫌いだった。 わけわかんない質問ばっかして、経営者を不愉快にするような奴らだ、 と思って大嫌いだった。 けど、それから尊敬するようになったし、勉強するようになった。 どうして審査を通してくれないんだ、将来はわからないじゃないか。 市場は良し、経営者の経歴も申し分ない。 やってみなきゃ、わからない。 なんで、そんなNOとか言い切れるんだ、 と噛みついた僕に。 彼は言った。 「君は若いから、一度だけ言おう。 年をとった担当者(投資部員)には、絶対に言わないけど。 事業計画上の、将来の数字には、意味はない。 その数字をつくった背景、人間に、意味がある。 なぜ、それをつくったのか? どんな生い立ちを経て、それをつくるに至ったのか? そして、数字そのものや、質問への回答内容そのものには、意味はない。 その理由、思考パターン、回答の仕方に、意味がある。 その表情、口調、感情、手の動き、心の動き、空気の流れ。 将来のことだから、本当に意味がない質問なんだ。そんなのわかってる。 でも、質問をされて怒るような奴は、 きっと将来、本当に問題が起こったときにも、僕達投資家を敵だと思うだろう。 そんなときこそ、手を離しちゃいけないのに。向こうから手を離す奴なんだ。 将来を不安に思う人間、従業員、お取引先、投資家。 それらのことに気を回せない人間は、偉大なる経営者になれない。 僕達は、それを見抜くべきなのだ。 僕達は、経営者を全て応援すればいいのではない。 偉大なる経営者になる人だけを応援する。 だって、大切なおカネには、限りがあるのだから。 そして、もし現在はそうではないが、可能性を秘めた経営者ならば。 偉大なる経営者になるよう、叱咤激励する必要がある。 でも、審査部は、案件が成立したら、もうその経営者には会わない。 叱咤激励することができない。 でも、君達担当者は、ずっと接するんだろう。 君が、責任を持って、あの社長を叱咤激励すると約束するのならば、 この案件を通してもいい。 それは、ある意味、担当者である君までを含めて、投資案件と捉えて、 リスク判断、可能性への投資判断をしている、と言えるのかもしれないね。 残念だが、今日の経営者と、今日の君には投資できない。 どちらも哀しいほどにユルすぎる。真剣じゃない。すぐに投げる。 今日の経営者を、今日の君が御せるとは思えない。 今日の経営者に投資できるとすれば。 君がしっかりしているのが条件だったろう。 君自身が、もっと事業計画を完璧に理解し、議論できるようになって欲しい。 もっと責任感を持って欲しい。もっとコミットメントして欲しい。 そんな君が、よし、と思う案件だけを、持ってきて欲しい。 そしたら、僕達審査部員など、もはや要らないんだ。 君が担当する、ということで、全てOKにしてもよい、 そんな投資部員になって欲しい」 と。 審査部員に信用されて、リスキーな案件に挑戦する投資部員、既に何人かいた。 そして、その何人かは、審査部員の信用に応えていたと思う。 仮に失敗したとしても、挑戦できた人間となったわけだ。 挑戦すらできなかった人間よりも、根性と実力と、そして経験が身についた。 どんどん差がついていったように思う。 ただ、エコヒイキされてるのかと思っていたけど、 そのビジネスに関わる人間の思いを読み取り、きちんと応えていた、からなんだ。 投資ビジネスや社内政治といえども、 人間が関わるビジネスなんだな、って、今、振り返るとよくわかる。 ――――――――――――――――― もし、おカネを投資してもらったのなら、ぜひ、知っておいて欲しい。 そのおカネには、とてつもない期待や不安が入り混じった気持が、 投資した側からは、込められている。 本当は、自分だって、起業家になって頑張りたい。 担当者となって、ずっと支えたい。 でも、いろんな理由で、僕はやらない。できない。 だから、目の前のあなたに、期待している。 あの堅物の、金融機関の審査部員だって、 マスクの下では、そんな風に思っている。 おまえだから、投資したんだぜ、と、思っている人の、 なんと多いことか。 その存在や、期待や気持を忘れないで欲しい。 いつの日か、応えて欲しい。 そんなことを心に留めてくれる、 そんな経営者が多くなったらいいなあ、と思う。 以上 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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