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社長室 業務日誌

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2005/08/27
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カテゴリ:カテゴリ未分類

僕達は、小さな証券会社だ。
そんな僕達が、もっと大きくなっていくにはどうしたらいいのだろうか? 

僕達は、どうせ、大企業のボンド発行を任せてもらえない。

それに、そんな商品、
僕達のアカウントに口座を持つ個人投資家には売れないだろう。

投資銀行だから、大口機関にはめ込んでいくのは当然のことながら、
僕達の強みを活かした、なんらかの戦略を編み出していかないと、
いかんだろう。

顧客(資金調達主体=資金不足主体)は誰か? 
その顧客が取り組む事業(製品・サービス)は何か? 
その製品・サービスで満たされるんは誰か? 

資金調達のために用いる金融技術は何か? 
どの程度のリスク・リターン設計に仕上げるのか? 
何のリスクを抑制するのか? 
今まで抑制され得なかったのはなぜか? 
一発商品で終わらず、継続的に資金需要が見込めるか?
(開発した技術・ノウハウを転用できるか?)

欲しがる顧客(資金余剰主体)は誰か? 
どの程度のリスク・リターン設計の商品を欲しがっているのか? 
なぜ、それを欲しがるのか? 
(どういうポートフォリオとなっており、何を埋めたいのか?)

―――――――――――

『金融イノベーター群像』(久原正治 著)シグマベイスキャピタル刊

金融イノベーター群像

新しい金融サービス・金融商品、
つまり金融イノベーションが起こった、そのとき。

それは、つまり、新しい成長産業が出てきたとき、というのだ。

従来型の金融技術では満たせない、急成長の新産業と、
常に高利回り運用商品を探している機関投資家。
そして、両者をつなぐ金融事業者。

資金不足主体(イノベーター)と、金融事業者(イノベーター)。

産業は、担い手だけでは生まれない。資金があって初めて生まれる。

担い手としてのイノベーターと、金融技術のイノベーター。
つまり、イノベーター同士が手を組んだ、という。

―――――――――――

米国の具体例としては、


シリコンバレー、IT産業の勃興(資金不足)
  ↓  ↑
ベンチャーキャピタル・ファンド(Kleiner, Perkins, Caufield & Byers等)
  ↓  ↑
機関投資家(資金余剰)


M&A、LBOによる企業再生(資金不足)
  ↓  ↑
LBOファンド(KKR等)
  ↓  ↑
ハイイールド債(ジャンク債)(Drexell Burnham等)
  ↓  ↑
機関投資家(資金余剰)


低所得者層の借入ニーズ
  ↓  ↑
サブプライム・ノンバンク(Mercury Finance Co.、Green Tree Financial Corporation等)
  ↓  ↑
小口証券化技術(ウォール街の各証券会社)
  ↓  ↑
機関投資家(資金余剰)

―――――――――――

日本だと既に、
邦銀の不動産ダイベストメント・ニーズを、
不動産ファンド運営ベンチャー企業が、掻っ攫っていった。
すごい嗅覚だなあ、と感心せざるを得ない。

次にくるのは、なんだろうか? 

僕達のケースでいえば、下記2パターンが考えられる。


<パターンA>
資金不足主体 x1
  ↓  ↑
金融事業者  y
  ↓  ↑
僕達(ネット証券会社) 
  ↓  ↑
個人投資家(資金余剰)


<パターンB>

資金不足主体 x2
  ↓  ↑
僕達(ネット証券会社)
  ↓  ↑
何らかの金融技術 z
  ↓  ↑
機関投資家&個人投資家(資金余剰)


(今後のTo Do)
・x1、x2、y、zを見出していくこと
 なお、
 Aでは「個人投資家への販路・PR能力」がカギとなり、
 Bでは「新産業への嗅覚・目利き能力」がカギとなる。

―――――――――――

ところで、個人投資家の買いたい商品とは、
小口、高い流動性、ハイ・ボラティリティ(投機性)
だと、現在の所、思われている。
(プライベートバンキングとなったなら、そうはならないと思うが)

この点、ゴールドマンサックスが開発した『eワラント』や、
為替証拠金取引は、
上記、個人投資家のニーズを満たし、大流行している。

提供したプレイヤーとしても、
十分なサイズの”金融商品ビジネス”として捉えることが可能、といえるだろう。

しかし、これらは資金不足主体を満たしていない。
つまり、eワラントや、為替証拠金取引の誕生のおかげで、
急成長した実際の産業はない、ということだ。

これはこれでいいのだが、
金融イノベーションが、新産業の後押しとなった、というようなことになったら、
金融マンとしては、生まれてきた甲斐があった、というものだ。

以上







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Last updated  2005/08/28 11:38:28 PM
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