052695 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

社長室 業務日誌

社長室 業務日誌

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X
2005/09/16
XML
カテゴリ:カテゴリ未分類

僕は、前職でオールドな業界、特に流通業界ををよく担当してました。
好きになってしまったからです。
理由は、業界が好きになったのじゃなくて、
キチンと数字を見て、人を見て、空気を読んで、心を汲んで、経営に対峙する、
そんな、本気で、優秀な経営者が多かったから。

僕は、ユーザーとしてインターネットは大好きだったけど、
ネットを用いた事業を展開し、感銘を受けさせてくれる経営者には、
なかなか巡り合えなかった。

僕は、むしろ、あまりインターネット業界は直接に担当せず、
オールドな業界の儲かる仕組みをつぶさに勉強していました。
たまに、ネット企業を担当したときにも、
必ず、同種のオールド企業と損益分岐点分析を比較していました。
何が儲かる仕組みなのか、よくわからないケースが多かったからです。

そんな観点から比較をする人、他にあまりいなかったし、
誰も、その比較情報を資料作成しても、興味を持ってくれませんでした。
上司も、当事者である経営者でさえも。。。

僕が見たネット企業の大半は、
「削減できたコストと、ネット特有のコストがそんなに変わらない」
「ネットを使うチャネルの特性と、クライアント・商品の求める属性がズレとる」
そんな程度の、儲かる仕組み、しか持ってない会社ばかりでした。
そんな仕組みに依拠してるにもかかわらず、
ネット革命だ! とか力説する経営者がいっぱいいて、
ほんとにバカに見えて、薄っぺらく見えて、仕方なかった。

きちんと、儲かる仕組みを把握せず、
ノリだけでガンガンいく投資家は、もっとバカだった。

一方、オールドな業界の経営者ほど、
特に地味な流通企業の経営者ほどキチンとしていた。
自社の何が儲かる源泉で、何が弱いのか、
業界の力関係、サプライヤー・顧客、競合の隅々まで目を配り、
自分の立ち位置を完璧に把握している、優秀な経営者が多かった。

僕は、次第にオールドな業界に傾倒するようになりました。

―――――――――――――――――

ネット業界は、よく、ウィナー・テイクス・オール という。
一人で持っていっちゃう、という状況。
みんな、一発ホームランを狙って、ドンドコドンドコ、投資していった。

でも、僕には、簡単には信じられなかった。
オールドな業界にいる、優秀なビジネスマンを多く見てしまったからだ。

インターネットを用いた流通革命は、
既存業界の実物流通・情報流通を大きく変えてしまう割に、
GDP(経済全体)の底上げには、そう寄与しない、
つまり、単純な富の移転ツールにしかなり得ない。
よって、いくら役立つといっても、本当に皆に担がれるか微妙、と考えていました。

結果的に、
負けてしまう・割を食ってしまう・失ってしまう・悔しい思いをする人を、
生み出してしまうケースが多いのではないか、と。

そんな中で、一人勝ち、という状態は簡単にはあり得ない、
それを目指す奴は逆に勝たせてもらえない、
のではないか、と。

だからこそ、
自分が勝ったら、誰かが負ける・割を食う。
自分が勝つとしたら、即ち、誰かが勝たせてくれる、っていうことを意識し、
その誰かに最初から気を配っておく、
もしくは全員で勝ちに行こう、と言って、まとめあげきってしまうか、
そのどちらかが、
斯業界で伸びる経営者には求められる資質、と思っていました。

それは今でも変わってません。

特に、若い世代が中心となっている、インターネットを用いた流通革命だなんて、
自分達よりも、明らかに若造でバカが担いでいる「インターネット」に負けるなんて、
たまたま地味な古い業界にいる優秀なビジネスマンを筆頭に、
負けた人/負ける人は、どれだけ悔しがるだろうか。
その悔しさのエネルギー、その抵抗力の大きさに、
気を回すことができている人、いるだろうか。

敵も味方も含めて、その事実に気づいている人、そうはいません。

僕の知ってる限り、そんな人は、一人しかいませんでした。

そんな風に考えて、かつ行動できて、人が集まっている状況をつくり出せている人、
もう少し具体的に言うと、
インターネットが出てくる前から活躍していた人が、
以前と同じくらい、その人を取り囲むことで以前より活躍できる状況を、
意図的につくり出せている人。
(=だから勝たせてもらえる=道を空けてもらえる)

そんな人は、一人しかいませんでした。

―――――――――――――――――

みんな、なんで、そのことに気が回らないんだろう。
もう少し、負ける人がいることに、気を回した方がいい。

そうすれば、もう少し、楽に、勝たせてもらえるようになる。はずだ。

以上






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2005/09/16 09:08:26 PM
コメント(0) | コメントを書く



© Rakuten Group, Inc.
X