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社長室 業務日誌

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2005/09/28
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カテゴリ:カテゴリ未分類

就職活動をするのに、何をしたいか全くわからない学生(22歳)と、
社会人2年目、仕事観の醸成に苦しんでいる後輩(24歳)の、
立て続けに相談に乗った。

こんなとき、僕はどうすべきなのか。

明確なアドバイスなど必要ないし、無意味なんだろう。
なぜなら、答えなんて、当人自身が、心の中に持っている。
今、持っていないのであれば、必ずどこかから生まれてくるわけであるが、
それはやはり、当人自身の心の中から生まれてくる。

だから、僕の役割は、
1、とにかく聞いて、全部引き出すこと、
2、答えが見えない状況といえども、苦しむ必要なんてサラサラない、
   という視点に気づかせること、
なんだろう。

それに、自分が出してくる答えは、
そのときに傍にいる人、そのときに自分が守りたいもの・人、
それによって、変わってくる。

なぜならば、
22歳の自分の傍にはいなかった大切な人。
 それが25歳の自分には現われているかもしれない。
24歳の自分が大切にしていたもの。
 それが26歳の自分にはそうではないかもしれない。
からだ。

人は、変わっていく。自分だって、変わっていく。

自分は、ストックであり、そんな自分が出す答えは、フローである。

日々、変わっていく自分が出す、
その答えは、やはり毎日、変わるのではないか、と思う。

そう、”変わる”んだよ、という視点、
それに気づいてもらうようにするのが、僕の役割なんだろう。

なぜなら、あんまり、他人から、そういう話を聞いたことがないからだ。

――――――――――――

自分自身の答えが信じられない、のではない。
答えを出す自分自身が、信じられない、のではない。

答えなんて、出すものじゃない、と思うのだ。

・・・出ちゃう、っていうか・・・

大切なのは、フローである答えにこだわるのではなく、
ストックである「自分」に目を向けること、
そのストックは、毎日変わる可能性がある、ということ。

その、変わる可能性がある、という前提を理解したうえで、
ある答えを、”とりあえず(?)”出していく、ということ。

しかし、出した答えにこだわり過ぎる必要がない、ということ。
なぜならば、フローを生んだストックである自分が変わっていくのだから。

ただ、
「答えを出せない奴は。バカかも」
「自分の答えを出して、いきいきとしている奴が、いけてる」
「うじうじしてる自分は、いけてない」
とか、世間が作り上げたバイアスを、
自分にかけて、無理やり出しているかもしれないのだ。

「答えは、出すもの」という、バイアスがかかっているのだ。

そんなもの、ウソだ。そんなものに負けるな。

――――――――――――

就職活動は「答えを出せ」といわれる環境下で、ある答えを出す。
部署異動の希望ヒアリングも、同じ。
メッチャ、バイアスがかけられている。

たかだか22歳の若者が。
たった一年の間に、ある仕事観・人生観を紡ぎ上げろ、という。
そんな薄っぺらい仕事観を元に、人生を組み立てろ、という。
そんなの、そもそも、リクルートがつくり出した ”妄想” に過ぎない。

毎日毎日、慣れない仕事に追われ、
自分のことすら省みるヒマがなかった24歳の若者が。
たった数日の間に、「行きたい部署の希望を言え」に解答しなければならない。
んなムチャな・・・。

自分が、どこで、誰と、何を、どのように、将来何をするために、
”活動” するのか/すべきなのか、については、
就職活動のときだけ考えるべき事柄ではなく、
本当は、常に、毎日、毎日、考えるべきものだ。

本当は、毎日が就職活動であり、毎日が自分の行きたい部署探し、
つまりは自分探しなのだ。

――――――――――――

だからといって、
そしたら、何を選んだって一緒ジャン、という話をしているのではない。

大切なのは、徹底的に考えること、そのものだ、という話をしている。

考え抜いた末に選んだ答え、それにこだわる必要がない。
それがもし、間違っていた、と思うなら、
速攻で修正/リカバリーすればよいだけ。

しかし、考え抜いていなければ、それがマチガイだった、
と気づくことすらない。

考えてなければ、何も見えてこない。

――――――――――――

答えを出す、そのことにこだわる必要がない。
答えを出そうと、必死になる必要がない。

答えは、自然に出るものであって、大切なのは、考え続けること。

人は、誰かを、好きになるつもりがなかったのに、好きになってしまう。

それと同じように、ある日、突然、見えてしまうのではないかと思うのだ。
答えは。

フローに惑わされすぎず、ストックである自分に目を向けて。
答えはフローに過ぎず、その答えを出すのはストックである自分。

だから、答えにこだわらず、自分に注目し、自分について考えるべきなのだ。

――――――――――――

出せ、といわれた環境で出した答えには、
絶対、必ず、あるバイアスがかかっている、と思った方がいい。

このバイアスに侵されないようにするには、どうしたらいいか。
自分自身で、自発的に、毎日毎日考えることだ。
昨日出した答えを、今日もう一度、反芻してみて考えることだ。
昨日の自分は本当にバイアスがなかったか、と。
そして、もう一度、明日、今日出した答えを再吟味してみることだ。

それでも、なお、自分の心にしみてきた、もの。

それが、多分、本当の答えだ。

――――――――――――

答えを出そう、とするな。

悩みを抱えた状態に、人は耐え難い。苦しいから。
その苦しみから単に逃れたくて、
人は、自分に”逃れ”のバイアスをかけて、ある答えを導きがちだ。

そのようにして出した”虚偽”の答えを、追って、走っていってしまう。

その姿は、あまりにも弱く、その足跡は、あまりにも薄っぺらい。

苦しい交渉のときほど、相手も苦しくて仕方ないはずなのに、
自分にバイアスをかけて、自分を軟化させやすくなる。
もう逃れたい一心で。

それと同じだ。

答えが出ないなら、その出ない苦しみを抱えたまま、
問題と向き合え。
相手と向き合え。
自分と向き合え。

フローに惑わされすぎず、ストックである自分に目を向けて。
ストックである自分はどう感じているのか? 
ストックである自分を育てるにはどうしたらいいのか? 
将来のストック形成の観点から、今、自分はどうあるべきなのか? 何すべきなのか? 
そういう観点を持って欲しい。

――――――――――――

僕は、後輩達にそう話しながら、
結局、また、やっぱり、自分に言い聞かせていた。

今、31歳である僕は、35歳の自分を描きながら、
答えを出すのではなく、考え続けるべきなのだろう。

35歳(2009年、今から4年後)にどうなってたいか? 誰といたいか? 
そのためには、32~34歳(2006~2008年)に何をしているべきか? 

今の環境や状況に惑わされず、それを実現する観点からのみ考えて、
手段である何かを、選択し、進めていく、ということだろう。

以上






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Last updated  2005/09/29 02:06:04 AM
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