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自社株の売却益(売却高)を売上計上したのは、 彼ら一社しかないかもしれないが、 投資売却益(売却高)を、売上計上する仕組み。 この仕組みを持って、好決算の演出に活用している企業は複数ある。 実は、すごく興味深い仕組みだと思って、見ていた。 僕達は、その導入が遅れてしまったため、 甘いのかな~と自省したこともある。 今となっては、過去の話だが・・・。 ――――――― 事業会社にとってのM&Aを取り巻き、よく議論されること。 M&Aにアグレッシブな会社は、 「虚業」であるのか、「実業」であるのか、という議論。 事業会社のM&Aは、あくまでも、 本業・実業の成長補助・促進のための、手段として存在している。 『目的』と『手段』を明確に自覚できていなければ、間違ってしまう。 しかし、ともすれば、いつ、一線を越えてしまうかもしれない。 調子に乗っていると、無意識のうちに越えてしまうかもしれない。 そのスピード感に、人は酔ってしまうのだ。 僕達は投資会社ではない。事業会社なのだ。 自らの力で、直接、価値を生産し、社会に寄与する経済主体。 そのことに誇りを持ち、そして一方で常に自戒すべく、 下記9点を胸に刻んでおきたい。 (1)その事業を、死んでもやり通す、という気概を持った、 事業責任者が買収判断の責任者であり、事業計画策定者であること。 つまり、その後のROI責任を持つ、そんな立てつけであること。 (=Rを引き上げる、即ち実業として”生産”する人間が 最終責任者であること) (2)買収提案者・交渉責任者は、 その事業責任者のために粉骨砕身、ソーシングし、 クロージングする、そんな立てつけであること。 (=『こいつは死んでもやる(=偉大な経営者である)』 と思ったら、心底協力し、 『こいつは死ぬ気でやらない』 と思ったら協力しない、 そんな力学が働く立てつけであること) (3)そのような組織体系が、正式に組織図として認められていること。 そのようなミッションが、正式に組織図として与えられていること。 (4)そのような管理会計&評価制度が備わっていること。 (=お題目でなく、人間の欲求を前提とした『仕組み』として ワークしていること) (5)投下資本は無限である、そんな幻想を抱いていないこと。 事業会社としては、できれば、I(投資)がゼロで済むのなら、 それが最高なのだ。 Iを用いることありきで、ROI上昇を目論む、 そんな集団は、もはや、事業会社ではない。 (6)『目的』と『手段』を混同していないこと。 M&Aなんて『手段』にしか過ぎない。 『目的』は、事業成長と、ステークホルダーへの貢献。 その速度と成長幅を加速すること。 M&Aは、その手段の一つでしか、ない。 ※僕達のような部署が、独断・先行して、突っ走らない、 (1)~(4)で述べた仕組みの下にあること。 間違う可能性があるのは、事業責任者ではない。 僕達なのだ。 (7)だから、別に、本当は、 M&Aなんかしなくて済むなら、しなくてもいい、 ていうか、手段だから、別に、どっちでもいいんだ、 くらいに思っていること。 (8)M&Aとは、本来は長時間かかる何かを、 短縮する取り組みであること、 つまり、時間を凝縮する結果、 その歪み・痛みを生むかもしれないこと、 つまり、そんなリスクサイドを負う可能性がある、 という覚悟もしていること。 しかしながら、『目的』達成のために最善と判断したら、 それへの挑戦に躊躇はしないこと。 (9)ROIという指標を重視しているが、 Iよりも、Rを重視していること。 もし、Iが高いのなら、その分、Rを上げればよいのだから。 そのために頭を使えばよい。 「Iが高くてもいい・・・」 その議論は乱暴に聞こえるが、 Rを上げる自信があるなら、勝負しに行っていい。 実は、それこそが、僕達は実業である、と 胸を張って言える根拠なのだ、とさえ、言い切っても構わない。 以上 PS ちなみに、投資会社や金融機関は、決して虚業ではない。 金融機関は、あくまでも間接的にしか、 価値生産にタッチできない、というだけ。 直接的に価値生産を行う、相手経営陣を支援する、という間接関与。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006/01/19 09:08:07 PM
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