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Professor Rokku のワインの日々

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Jul 27, 2005
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今日はちょっと閑話休題。

というのも、Rokku はちょっとコンサートに行ってきたんです。最近、結果的にダイエットをしている体育会系 Rokku にとっては、ずいぶん久しぶり。今日もテニスのレッスンに1キロ2百メートルの水泳後のことですから、眠りこけてしまうのではとすごく心配でした。

行って来たのは、『海馬の夢』と題されたコンサートで、「イタリアと日本を結ぶ 音楽、ダンス、俳句、詩の異ジャンルコンサート」と、キャッチフレーズが付されていました。このキャッチフレーズから想像できるように、アヴァンギャルドです。

「イタリアと日本を結ぶ」とあるのは、単に演奏される曲が日本人とイタリア人による合作で、しかも両国出身の人々が競演していることによるものと思われます。もちろん、もっときちんとした理由付けはなされているのでしょうが、一見し、一聴したところ、イタリア人によるジャポニスム(日本幻想)と日本人によるイタリア幻想の破壊がテーマのように思いました。

もちろん、素人の Rokku の感想ですから、頓珍漢なことも多々あると思いますが、しかし、プログラム1のフルートなんかは、尺八に笙を思わせる音色にまずジャポニスムが濃厚に反映しており、確かにそれは、風の音のようにも聞こえる分、幻想がある真実にまで深まりを見せていることは疑えませんが、それにしても、やはりジャポニスムの変奏ではないでしょうか。

Rokku には却って、フルートに聞こえる音色の美しさに心を奪われそうでした。これはこれでもちろん、オクシデンタリズムですがね。だってしょうがないでしょう、Rokku はアジア人ですもん。

さて、日本人によるイタリア幻想の破壊がテーマになっているのは、プログラムの3で、「明澄な水」と題された、ベネツィアを巡る言葉と歌と音楽の混成でした。これははっきり言って、悲惨なプログラムでした。Rokku はこの後の休憩で帰ろうかと思ったほどです。

何がいけないって、言葉の貧困。何だこの「文学」は? 「こんなもの、いまどきどこにあるというのだ」と言いたくなるような、「文学」している言葉の朗読には辟易としました。信じられない! これって、70年代のセンティメント?

なるほど、ベネツィアに対する私たちのイメージを壊したいという意図があったのだと後で気づきましたが、それにしても文学の無力は目を覆うばかり。でも、それも当たり前ですよ。今こんな文学はない! こんなもの、古色蒼然の、それこそ文学に対するイメージ、固定観念だ。

それに引きかえ、感性に訴える音楽は、喉をほぼ声の楽器に見立てる(つまり文字面の意味を消し去って音を引き立てる作業)ことで聴覚そのものに訴え、ダンスを交えることによって視覚化し、ますます総合芸術化しているのですね。プログラム4の前衛音楽を聞いて、そういう未来のパフォーマンス空間を垣間見たように思いました。すごくよかったです。帰らなくてよかった。

最後の「四季」の変奏も、バロックに対するイメージに現代音楽が挑戦している姿がよく感じられて、よかったです。ところで、バロックをこう解釈しました、そう言わなければならない私たちって、やっぱりポストモダンに生きていますね。

その点、純粋に音楽として、Rokku はプログラムの2がとてもよかったと思います。全部よかったわけではありません。特に後半はあまり感心しませんが、それにしても、弦楽のナマの音がどれほどいいものか、Rokku は初めて痛感したように思います。電子化、機械化されたコンサートに未来はないと常々思っていた Rokku ですが、いやいや、クラシック音楽のコンサートは、電子化されていない音楽を聞かせるほぼ唯一の場かも知れませんね。

いや、もう一つあります。ニューヨークのジャズ喫茶もすごくいいです。Rokku はブルーノートに行っただけですが、そこで聞いたアートファーマーのコルネットは、もう、言葉に言い表せないほどニューヨークの音でした。すなわちアコースティックの響きです。ローカルの。

そんな時代は生きられないはずだけど、ところどころにまだ残っているのですね。そのことを知ることができたのは、素直に嬉しい。

なかなかいいコンサートでした。





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Last updated  Jul 28, 2005 12:09:57 AM
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