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Professor Rokku のワインの日々

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Jul 29, 2005
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テーマ:在宅介護(1591)
カテゴリ:カテゴリ未分類
昨日は少し話を変えましたが、もう一回分だけ、母の話を続けます。

認知症の人に対してコミュニケーションはなかなかとりにくいものである。そんなことをRokku は言っているのでした。母のほとんど妄想に近いような現実認識にたいして、素直に反応しようとすれば、どうしても私たちはその誤解を何とか修正しようとします。正しい現実を一生懸命理解させようとする。

当然その口調は説教調になります。これがどうも母は嫌みたいで、結局話が途切れてしまうか、なぜ自分はこんな病になったのかという愚痴を、延々述べ始めるかのどちらかになってしまいます。要するに、なかなか良好なコミュニケーションとは行かないわけですね。

一番大切なことは、あんまり親身にならないということなのかもしれません。過度に親身になる、つまり、シンパシー(共感)を感じてしまうと、「どうしたんだ、しっかりしてくれよ、昔のあのあなたはどこへ行ってしまったのだ?」と、相当感情を高ぶらせて、ものを言う仕儀になるでしょう。どうしても、昔に戻ってくれ!という気持ちが入りすぎてしまいます。でも、元に戻ることはないんです。そこが辛いところですね、何度も繰り返しますが。

幼稚園児のオイタなら笑っていられるけど、年寄りのほぼ同じ行動が許せない、ということなのではないでしょうか。前にも言いましたように、もう母はほとんど幼稚園児から三歳児ぐらいですから。しかも、妙に世知長けているから、始末に悪いわけです。物知り顔の子どもがかわいくないのとおんなじ構図かもしれません。

で、ケイトはどうするかというと、相槌を打つだけに徹する、と言うのですよ。「ふーん、そうなの。へえー、それで?」と話を聞く態度だけをとり続け、実際に話されている内容にはいっさい関知しない、というか、反応しない。

一見無責任ではありますが、なかなかこれがいいようです。

ところが、そうしていると、前にもお話したように、母の話題は他人の悪口になっていく傾向がありますから、つい看過できない事態が多々登場します。そう簡単に、「へー、そお」とも言っていられないんですよ。そこでつい、ケイトといえども、「お母さん、それはおかしいでしょ」とマジに反応してしまうんです。

赤の他人のような顔をしつつ、適当に親身になってあげられるのは、やっぱりそれなりの訓練を受け、その仕事を労働と認識している人だけなのかもしれません。要するに、在宅看護には無理があるんです。

そこで思い出されるのは、ヘルパーの人が患者さんを殺してしまった話です。

あれは、患者さんに対する思い入れ、自分の仕事に対する思い入れが強すぎたのでしょう。そんなことしたら疲れてしまい、参っちゃいます、介護している側が。

最近、「やりがい」と称して、自分に合った仕事探しが流行りみたいになっていますが、思い入れが強すぎるのは危険ですね。適当に「お金儲け」と割り切れないと、人間、辛くなってくるのではないでしょうか。

え? 逃げられない在宅介護の場合はどうするかですって? 私たちが見つけた方法は、それはひどいものです。母がいる間は、二人とも同じテーブルを囲んでゲームをやっています。母はもちろん参加しませんよ。Rokku とケイトがそれぞれ、ゲームの紙を持っていて、それになにやら鉛筆で書き込む。それを延々と続けるのです。母の話に相槌を打ちながら。

これがコミュニケーションか? そうおっしゃる方もいるでしょうが、私たちが過度に母に強い思い入れを抱かないで話を聞く方法が、他に見当たらないのです。義務的に生じた暇つぶし、そう割り切ってこれをする以外に今のところ方法がありません。これなら、適当に楽しいし、母の何度も繰り返される話にもそれなりに反応できますからね。

当然、母は、私たちが生返事であることに気づいていますよ。でも、だからといって、そう事態が大きく変わるわけではないんです。母の状態がよくなることはないのですから。

先日、お医者さんが、病気が発覚してからこんなに進行の遅いのは珍しいケースだとおっしゃったそうです。半分以上「老化」なんだろうなあ、と Rokku も思っていました。少しずつぼけていく感じですものね。

でも、さすがに、これからはひどくなっていきそうな気配です。一週間ぶりに我が家に帰った母は、その月曜日がとりわけひどかったそうです。Rokku と兄がまだ幼くて、これから働きに出なければならないと言い出したり、過去と現在がかなり錯綜してきて、いよいよ状況把握が困難になってきているみたいなんです。もちろん、一番いいのは、自分の家を離れないことでしょうね。それは分かっているんです、前にも書いたように。でも、義理のお姉さんの息抜きを考えると、私たちの家に母は月に一週間旅行のようにして来るしかないと考えます。仕方がありません。それも宿命と思って、母には割り切ってもらうしかないのではないでしょうか。





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Last updated  Jul 29, 2005 07:25:24 AM
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