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Professor Rokku のワインの日々

Professor Rokku のワインの日々

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Aug 13, 2005
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選挙になるとテレビに出てきて、選挙区事情やら投票行動分析など、開票速報に出ずっぱりになる先生が、学部の同僚にいます。その人に、「ツイン・タワーができたので名古屋にも近代が来る」と言って大笑いされたことがありましたが、Rokku は結構本気です。皆さん、すでにお気づきのように。

そりゃ、おかしいと思うのは無理もありません。別に新しい鉄道ができたわけでなし、百貨店は名鉄という、これまた近鉄に決してひけをとらない田舎臭いデパートがありましたしね。でも、昨日のブログを読んでいただけばお分かりと思うのですが、名鉄ではダメなんです。あれは戦後のモダニズムを経験していないんですから。昭和モダニズムのままなんですね。正確に言うと、そのコピー。次に展開するための資本投下が行われていない、のです。

必要なものは何? 言うまでもありません。ターミナル駅化です。名鉄の名古屋駅はターミナルではありません。単なる通過駅です。その意味では、どこか他の小さな駅と質的に違いがありません。もちろん、名鉄電車に乗ってやってくる人が名古屋駅で降りるのですから、それなりの集客力というか、人を呼び込む力をもっています。だからこその昭和モダニズムです。

でも、それ以上の人を呼び込む力はない。わざわざJRに乗って、名鉄百貨店に行く人はいない、ということです。みんな、栄に行ってしまうんですね。だから、名鉄だけではターミナル駅化することができなかったわけです。

実を言うと、栄もターミナルではありません。名古屋がなかなか次の近代に行けなかったのは、そのことが大いに関係しています。にもかかわらず、それなりの大きさを保てたのは、皮肉なことですがモータリゼーションのおかげでしょう。というか、トヨタがあったからこそ、鉄道のターミナル駅化とか、環状線の欠落とか、近代的都市の必須要素が抜け落ちたまま、バブル後まで来てしまったのではないでしょうか。

で、ツイン・タワーです。この建設が、JR沿線と近鉄沿線の人々の関心を名古屋駅へ向けたのです。事実、行ってみると、きれいな(当たり前です、世の中はとっくにバブル以後ですから)デパートに、便利な鉄道ではありませんか。意外なことに快適なんですね、買い物が。それまでと違って、楽しい。それの再発見です。おそらく、売っているものがそんなに違うわけではありません。ディスプレー、ライティングなど、品物をよさそうに見せる工夫は優れているのでしょうが、質としての違いが問題なのではない。そういう時代に来ていることに、気づいているようで、名古屋の人々は気づいていなかったのかもしれません。いや、人々は気づいていた(たとえば「なんか田舎臭いなあ」という述懐)けれども、経営者側が気づいていなかったのでしょう。

それに、もうひとつ重要なのが、デパ地下、つまり食品売り場の充実でした。これについては、名古屋の百貨店は、栄も含めて悲惨でしたから、やはりJR高島屋の一人勝ちでしたね。 Rokku はワインを飲む関係上、たえずデパ地下はチェックしていて、ワインに合いそうな食材の置いてあるところを、それこそ目を皿のようにして探しているんですが、これについてはすでにお話したように、もう圧倒的にペックの勝ちです。あそこに敵うところはありません。ちょっとお店のありようが変わってしまいましたが、味は変わりません。

だから、JR高島屋の成功は、もともと約束されていたようなものなのです。名古屋のターミナル駅化と食べるものの充実という条件を見事に満たしていたのですから。今度名鉄百貨店がてこ入れされるそうですね。それなら、絶対にしなければならないのがデパ地下の充実でしょう。今のデパ地下はひどすぎる。客をなめとんのか!と怒りたくなるような品揃え。やる気があるとは思えない。いいですか、時代はとっくにバブルを越えているのですよ、名鉄さん!

話が逸れてしまいましたが、ターミナル駅化した、というか、名古屋のターミナル駅としての機能を目覚めさせたツイン・タワーが繁栄するのは当然です。だって、このビルの魅力が、JR東海道線、中央線、関西線、名鉄沿線、近鉄沿線の、それまではライバル同士だった関係上、ひとつの魅力に集約させる(これがターミナル駅化の大きな眼目)ことができないでいた、各鉄道会社沿線の人々(それぞれが持っているパイ)を名古屋駅に集中させる結果になったのですから。Rokku の言うターミナル駅化とはこのことです。

そして、今度はトヨタビルの再開発でしょう? いったい、どうなるんでしょうか。今でも、名古屋駅の集客力は大変なものです。本当に駅周辺は人の流れが変わりましたからね。

じゃあ栄はダメなのか? そんなことはないでしょう。実は、名古屋のあちこちで、名古屋駅で起きているのと同じようなターミナル駅化、すなわち、人が集中する鉄道線網の改善が起きていて、まるですべての道はローマならぬ「栄・名古屋駅・金山に通ず」ようになってきているのです。ずいぶん便利で、アクセス方法が多様になってきていますよ。地下鉄の環状線化は、その傾向にさらに拍車をかけるでしょう。

おかげで、名鉄犬山線に乗っていても、江南駅あたりから名古屋のほうは、それ以遠とでは、明らかに乗ってくる人の雰囲気が違うように思うほど都会的になってきました。とうとう、名古屋にも、戦後のモダニズムがやってきたのです。

そのことと愛知万博は気持ち悪いほど、ありようが一致します。万博とは一種のテーマパークですから、大阪の都市化を支えたのと同じ要因が、今、堰を切ったように名古屋に押し寄せているわけです。中部国際空港も同じです。あそこの商業施設も、一種のテーマパーク化されたものなのでしょう? 行ったことはないけど。

だから、愛知万博なんか行く必要がないんです。行かなくてもだいたい分かりますしね。いまさら何が国際交流ですか。その場限りの国際交流に何の意味もなかったことは、大阪の万博を見れば一目瞭然です。

あ、誤解しないでくださいね。今万博に行っている人、行った人、これから行く人を批判しようと思っているんではないんです。Rokku はただ、なぜ自分が行かないか、どうして興味がないのかを説明しているだけですし、自分で、その理由を整理しているだけなんですから。行く人の気持ちには、言うまでもありませんが、敬意を払っています。Rokku は行かない、そう言っているだけなのです。

その意味では、むしろ Rokku に関心があるのは、万博後です。それはおそらく、一気に流れ込んでくるポストモダニズムのはずですから。いったいどうなるのでしょうか。よきにつけ、あしきにつけ、楽しみです。いいことばかりでないことは言うまでもありませんが、悪いことばかりでもないでしょうしね。とにかく、変化が楽しみです。






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Last updated  Aug 13, 2005 10:58:56 AM
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