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久しぶりのアップです。
なかなか外で食事というのがしづらくなりました。お酒なしで食事だけというのはつ まらないのに、郊外に住んでいると、車なしというのはもっと困るからです。 Rokku の家族(というか夫婦)が見つけた方法は、「どちらかがあきらめて飲まな い」です。Rokkuかケイトかどちらかが運転手になるのですね。色々事情があって、 なかなかその担当がきれいに交互になるという具合に、イーブンとはいきませんが、 そこはそれ適当に算段しつつも、最後にはいっそ外食しない、となることも多いので す。結局、我が家が採ったのはほとんど最後の選択肢。つまり外食しない、です。 でも、ボーナス・シーズンともなると、やはり気がはやります。いくらか懐が暖かに なりそうなので、「久しぶりに外でご飯を食べようか!」となる訳です。 しかも今年11月のワイン蔵出し(セラーのワインを全部出して、飲み頃になったか どうかを決めるRokku の例年の行事)の結果が良好で、結構いい線いってるワインが 多かったんですよ。そうすると、購入時に高かったワインなんかは、できれば小田川 さんの料理でと思うのが道理じゃないですか。 かくして、晴れて久しぶりにル・トワ・ド・パリに行こうとなったわけ。 するとケイトが、「折角のワインを開けようというのだから、運転してあげるわ」と 落涙もの(ところで『Always3丁目の夕日』はよかったですね)のことを言ってくれ たものですから、はりきりましたよ。ワインも。ドミニク・ローランのシャンベルタ ン・クロ・ド・ベーズ 1998(Dominique Laurent, Chambertin Clos de Beze, 1998)です。 98年はパーカーによればとっくに飲み頃なのですが、Rokku のいい加減な目測ではま だまだの感じでした、長い間。ところが、いつだったか忘れてしまいましたが、マル タンの那須さんが98年はよく熟して来ましたと仰るんですわ。2000年のブルゴーニュ ももう飲み頃とのたまいました、彼は。そんなものかと思って、今回蔵出しでチェッ クしてみると確かに行けそうな気がする。2000年のボルドーもかなり行けそうな感じ で、今度試そうと思ってます。 この話を、那須さんから聞いてなかったらやめたかも知れないけど、その気になって ワインを眺めると、確かに熟成の粋に達しているのが結構ありそうに見えます。こう いうとき、権威の一言は人の行動を背中からポンと後押ししてくれますね。この後押 しがないとなかなか2万円を越えるワインは開けにくいんですよ、正直言って。 藪から棒ですが、Rokku は株はやりません。ギャンブルだからです。でも、実を言う と、ワインのコルクを開けるのも何だかんだ言ってギャンブルみたいなもんです。1 万円越えるワインで失敗したことも何度もあります。ギャンブルなんですよ、結構。 だから後押しが欲しい。 前置きが長くなりましたが、ドミニク・ローランをRokku が心置きなく飲めることに なりました。うまかった! これぐらい出して、当たると、なるほどうまいブルゴーニュはやめられんぞ、という 感じですね。ここから上の値段のものは、どれほど違ってくるのか、Rokku には分か りかねますが、素晴らしい花の香りと、甘み、フルーツの熟した香気に、しっかりし たアルコール感が複雑に入り混じる。要するに、相矛盾した二つの要素の混合。大げ さに言うと、弁証法的な止揚の世界がそこにある、ということでしょうか。楽々とそ こに至るのが、ブルゴーニュのグラン・クリュなのだな、と思いました。 ピノ・ノワールに特有に感じられる土臭さ。それは、決して嫌な香りではありませ ん。Rokku は好きですが、それはほとんど感じられません。でも、あるんです。甘み の中に潜む相反する要素として、それがまとわりつくように舌の上に残り、不思議な 弁証法的世界へとRokkuをいざなう感じ。 最初の料理はきのこのパイ包みでした。うまい! 冬は違いますなあ、夏とは。写真 はありませんが、パイのさくさく感が、ワイン・ソースとよくマッチしているんだけ ど、何と言うか、小田川さんのこれは軽くないの。ひょっとしてRokku がシャンベル タンを持っていったからかもしれない。 今、書いていて思い出したけど、そうだシャンベルタンだった。そういえばアルマ ン・ルソーのシャンベルタンに似ている、味というか、気配というか。姿が。なるほ ど花とフルーツ。その背後にしっかりした土。シャンベルタンの特徴なのかな。 それが、きのこのパイ包みと調和して、冬の重みにあらわれるのだろうか。とにか く、よく合うよ、きのこと。そしてパイのさくさく感と。このワイン。 次は柿の熟した実になんだろう、聞いたんだけど忘れてしまった、調味料が入ること によって少しエキゾチックな味わいへと変化した一品と、絶品のフォアグラ。これに はやっぱりイケムか何か甘口の白が欲しいところだけど、それは贅沢というもの。で も、やっぱり赤ではちょっと無理。水の方がいいか。 魚料理は答志島の鱸とホタテに、アスパラとセロリのソテーだったと思います。よく 魚は白だというけど、どうしてどうして、料理によってはまったく赤でおかしくな い。おいしいマッチングが味わえました。やっぱりスパイスの使い方なのでしょう ね。ホタテもぜんぜんおかしくなかったです。 最後はフランス産鴨のロースト、ブルーベリーのソースでした。ワインがベリー系の うまみが凝縮されたタイプなので、このソースなのだろうと思いました。ワインとの 相性? そんなの、聞くほうが野暮でしょう。 ところで、小田川さんから、「Rokku のブログを見て、ル・トワ・ド・パリへ来た」 というお客さんがあったのだそうです。嬉しくなりましたね。小田川さんのしっかり した構築された味わいをぜひ皆さんにも楽しんでもらいたいと思いますから。 Rokku の好きな吹き上げのマルタンは、いわば現代的な味です。もちろんおいしい し、素晴らしく感動します。ワインは那須さんが料理に合わせて、一杯一杯合わせて 準備してくださるし、その素晴らしいサービスは感動モノです。 でも、小田川さんの作る料理って、もう少し重みがある。何なんだろう? 伝統なの だろうか。フランスの? ちょっと分からないけど、少なくとも構築的なのは事実。その意味では、夏よりも冬 のほうが合うのかもしれませんね。夏のブイヤベースもやめられませんが……。 勝手に宣伝役を買って出ている関係もあって、お店の電話番号書いておきますね。必 ず予約してくださいよ、ブログ見たとも言ってくださいね。 ル・トア・ド・パリ xxx-xxx-xxxxx 毎年冬に横浜のご夫婦がいらっしゃるそうです。素晴らしい写真と共に、HPで紹介し ていらっしゃいます。今度予約の電話が入ったら教えてくださいね、と小田川さんに 頼んできました。ワインを持って出かける予定です。 そうそう、お節もやっていらして、まだ間に合うんじゃないかな。すごくおいしいで すよ。大晦日にとりに行って、その晩にうちは食べちゃいます。オマールなんか争奪 戦です。めちゃくちゃうまいですよ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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