またもやユベントス戦を観に行ってしまいました。
イタリアにいるとわたしはあまりスポーツ観戦をしないので、
時々はこんなのもいいと思うのです。サッカーのセリエA、今回はローマvsユーベ(ユベントスの愛称)。
地元ローマ、しかもロマニスティ(ローマのファン)は熱狂的ですので、
現在1位のユーベとの対戦はかなり恐ろしいものです。
再びアウェーのユベンティーニ(ユベントスのファン)は
その本当の姿(ロゴの入ったマフラーなどの応援グッズ)を隠して
スタジアムまで行かなくてはなりません。
しかしわたしは見ました。
本物のユベンティーニを。
高速道路の出口の方からサイレンが聞こえてくるのです。
彼らは大型バス数台で
地元トリノ(イタリア北部、フランスの近く)からやってきて、
ローマ近郊からは警察のバス数台に挟まれ
防御されながらやってくるのです。
こうでもしないと暴動が起きてしまうからです。
窓の外に大きな応援旗を出し、何だか叫んでいます。
わたしはマッテオのスクーターの後ろに乗っていて
写真を撮ろうとしましたが、うまくいきませんでした。
近づくと唾を吐かれたりするので近づかない方がいいのです。
近づきすぎないよう距離を取って走っていると、
スタジアム近くになって渋滞してきました。
マッテオが冗談で調子に乗ってプップーとクラクションを鳴らしたら、
みんなビービービービーと同調して鳴らしはじめるのです。
おっそろしいところじゃー。
わたしは怖くてずっと叫んでいました。
熱狂的ユベントス・ファンであるハッパ漬けフランチェスコ
(普段は笑顔のレセプショニスト)、
それからニコとディアーナと合流して、
警察に守られている裏口から入場します。
なかなか入れてもらえなくてだんだん悪口もヒートアップ、
そこにいたのは百人いるかいないかくらいです。
でもこの人たちは普段はローマで圧倒的少数、
肩身の狭いユベンティーニなんだなと思うと、
かわいらしく見えてきました。
甲子園球場の近所の巨人ファンみたいなものだと思います。
先日のラツィオ・ユーベ戦よりははるかに観客動員数が多く、
だいぶ混雑していました。
といってもローマファンが多いからなのです。
全部で6万くらい入っていると思いますが、
ユーベ側観客席は千人にも満たなかったのではないかと思います。
わたしは天邪鬼なのでもともとはローマファンながらも
(ここではそんなことはおくびにも出してはいけません、殺されます)
このアウェーさを結構楽しんでいるのです。
今回の観客席からは応援団の様子がよく見えました。
一応団長みたいなのが指揮を執って
相手チームに罵声を浴びせる歌みたいなのを歌います。
掛け声が合うととても迫力がありますが、
最後まで歌いきる人はいなくて(詞が分からない?あるいは無い?)
尻切れトンボになってしまったり、イタリアなので適当な感じです。
日本の野球応援というのはこれに比べたら数段カッコいいわけです。
教えてあげたいです。
Jリーグ応援というのはどういうものなのでしょうか。
レッズの試合を一度観に行ったことがありますが、忘れてしまいました。
試合のほうはと言うと、残念ながら前半すぐに1点、
デ・ロッシに先制されてしまいました。
ホームチームの得点というのは応援にも勢いが付くわけで、
叫びから発炎筒から
(一回ピッチに投げ込まれて火を噴いていたので数分試合が止まりました)
何から何まで相手ペースになってしまいました。
後半にはやっとユベントスのキエッリーニが1点を入れて、
結果は1対1の同点となりました。
また、この後、PKを取られるというユベントスの危機があったのですが、
なんとローマの主将トッティが外したんです!
っていうかキーパーのジジすごい!
なでしこJAPANを思い出しました。
この試合の後、トッティは退団を表明しました(あとであっさり撤回)。
前々から考えていたのでしょうが、
このPKを外してサポーターに罵られたのがきっかけとか。
わたしは何となく千代の富士が貴花田に負けた取り組みを思い出しました。
今回も地元ファンを早めに出して帰してしまい、
わたしたちは1時間以上も寒いスタジアムで待つ羽目になりました。
ファン同士の衝突を避けるためです。
この間、周囲のユーベファンの様子を眺めてたり、
知らない人たちと話をしたりしていました。
わたしたちの近くにいたのはシチリアから来たグループで、
わざわざここまで来るのも大変だっただろうと思います。
何にしても愛の力ってスゴいですね。