のあねこ　お気楽日記

さてさて・・・今回の裏話は。　　味覚障害の食べ物編。


味覚障害は、抗がん剤治療の回数を重ねるごとに「　強くなって！　」いきました。



最初に「変だぞ！」って気付いたのは、お醤油の味が分からなくなったのよ。
　　　（私。日本人なのに！　醤油の味が分からないなんて、ショックよ～～～）



とにかく、治療中は食欲が無かったので、大好きな「のりご飯」を食べたわけさ。


そ～～したらさ。
「なんじゃこら～～～～～～」味だったわけ。
　　　　（松田優作　風に　お願いしますね～～）　字・間違ってる？？？



あの・・・パリパリ焼のりに、お醤油がついた
日本人なら、おそらく誰でもが「ほっ！」とする味。


それがだよ！
人間が本能的に食べてはいけないもの！として認識しているような味がしたのさ。


そうね～～　　例えるなら・・・・
こんなドジをするのは、私だけかもしれませんが・・・・


お料理しててさ。　鍋を火にかけるでしょ。
火の勢いが大きすぎて、鍋の取っ手のプラスチックの所を焦がしちゃった
その時に、漂ってしまう「ビニールを溶かしたような、嫌なにおい」


まさに、その臭いが、お口の中で展開されたわけさ。


さらに・・・詳しく表現すると。
「消しゴム」食べちゃったみたいな・・・感じ。
　　　（消しゴムなんて、食べたことないし～～～）


でもでも・・・そんな感じなんです。
プラスチックもの　というか。　無機質なもの　そういう感じが、
お口の中　＆　お腹の中　から　湧き上がってくるのさ！


治療初期の段階では、投与して１週間後くらいから始まって、３日くらいで治まった。


だがよ～～～～


治療中盤になってくると・・・・・投与して３日くらいから始まって。
１週間くらいかな？続くわけさ。


当時の記録によると・・・４回目の投与４日目に「味が最悪」と書いてありました。


で。　どんな物が不得意かといいますと。　「和食」　と　「ねっとり系」。


「和食」は・・・困るよね～～
とにかく・・・特に「醤油」　と　「だし」　の味が　トンチンカンなわけさ。
食べるのも嫌だけどさ。
家族は、元気だから・・・食事を作らない！という選択肢はない！わけで。
頑張るのさ。


でも・・・いっくら、味見したってトンチンカンだわよ。
仕方ないので、当時小５だった、娘・ぱぴよんに味見をお願いするわけさ。


ぱぴよんも、最初のうちは、張り切って味見してくれていたけどね。
治療後半戦あたりでは、「めんどくせ～～～」ってやってくれないのよ！


でも・・・トンチンカン味だからさ。　困るでしょ。
で、最も、私らしくない方法で食事の仕度をしたのさ。
レシピ通りにつくる！

砂糖　大さじ２
醤油　大さじ３　　　・・・・　みたいな感じ。


すっげ～～～面倒なんだけど、レシピ通りなら、トンチンカン味だけは回避できるでしょ。



「ねっとり系」っていうのは、その名の通り。　
ねっとりと舌の上に乗っかってしまう物。


マヨネーズ・ケチャップ・カレー・シチュー・焼肉のたれ・ソース・・・・


で。
この「ねっとり系」がさ。　大変なのよ！
あの「プラスチック味」がベタ～～～～っと、舌の上に乗っかってしまって


そりゃ～～　大騒ぎ。
１秒でも早く、それを取り除きたいわけさ。
でも、めっちゃ「本能的に食べてはいけない・プラスチック味」を
味わってしまっているから、気持ち悪くて飲み込めない。


もうさ！
台ふきんでもいいから、舌をゴシゴシ拭きたいわけよ。
でなきゃ～～　コップに水くんできて、その中に舌突っ込んで洗いたいわけさ。


も～～　　味覚障害発生時の「ねっとり」系は、ごめんだよ～～～



で。
抗がん剤治療終盤に入ってくると・・・・投与して、すぐに味覚障害がはじまるのさ。



で。
最終６クール目。　これが・・・生き地獄とは、このこと！ってくらい、ひどかった。
投与して２日目あたりから始まって、約２週間。　ばっちり！だったわけさ。


６クール目は、食事をすることに恐怖感を覚えてしまいました。


家族は「頑張って、少しでも食べな！」って言ってくれるけどさ。
もう～　食事が怖くて・怖くて。


私だって、食べなきゃいけないって分かっていたし。
食べないから、どんどん体重減っちゃうし。
それでもって、治療の副作用のひとつで、低血圧になるので「ふらふら」。


では。　６クール目は、どんなトンチンカン味がしたのかといいますと。



みなさ～～ん。　想像してください。


　　　　今、目の前に、おいしそうなマグロのお寿司があります。
　　　　マグロは脂少なめの赤身（私、大好きなんです）。
　　　　「つやつや」としたシャリ。
　　　　ほどよい風味の「わさび」がのってますよ～～


さあ～～～　いただいてください


どんな味がしましたか？
そりゃ～～　おいしい「お寿司」の味ですよね。


人間というのは、経験がものをいう！
「お寿司」を目の前にすれば、無意識のうちに「たぶん　こんな味」って準備しますよね。



しか～～～し。　６クール目投与後の私が、この「お寿司」を食べると！



　　　　プラスチック消しゴムのご飯の上に、
　　　　　　　あま～～～～い「あんこ」で出来た「マグロ」がのっている。


驚愕の味でしょ。



つまりね。　普通の食事でも、トンチンカン味スペシャルになるわけさ。



５クール目までは、統一して「本能的に食べてはいけないプラスチック味」だったのね。
だから、まずい！のですが、同じまずい！だったわけよ。



でも。６クール目は、どんな味がするのか、お口に入れてみなければ分からない！


だから・・・・食事が辛かったわけです。



今回は、食事編でした。
なぜに・・・わざわざ「食事編」としたかといいますと。


「ドリンク」系でも・・・大騒ぎだったからです。
これは、また後ほど。