のあねこ　お気楽日記

１つ前のブログで、１/４壁のお話をしました。


人間は、「あと少し・・・」の声で、心が乱れてしまい
乗り越えるのが難しい状態に陥ることがあるというお話。



私にも、抗がん剤治療中にありました。



私の抗がん剤治療は、２００８年８月～２００８年１２月・CEFを６クールでした。



１クール目で、手痛い副作用の洗礼にあい・・・・
回数を重ねていくごとに、ひどくなる副作用もあって、
抗がん剤治療の意味を、きちんと理解していても、
投与数日前からは、気分が落ち込んで大変でしたっけ。



でも。
５クール目は・・・・どうにもならなかった。



４クール目の投与が終わって、副作用からも解放され、
通常ならば、心も体も回復して、どんどん活動的になっていく。そんな時でした。



　「あと・・・２回だね」　　はい！　この一言で・・・・心が崩壊しました。



　　あと・・・２回　　も　　ある

　　無理だ・・・・
　　無理だ・・・・


　　もう。できない・・・・


　　嫌だ。抗がん剤なんて・・・・・


　　抗がん剤のことを考えると、心臓バクバクで頭くるくる。
　　嫌～～な汗をいっぱいかいて。
　　体が、ガタガタ震えて。
　　涙が止まらなくなって。


　　でも・・・自分で決めんじゃない！
　　ここで、やめたら、ここまで頑張った意味ないじゃん。
　　

　　底なし沼に落っこちちゃって。
　　真っ暗闇の中。
　　暴れることもなく・もがくこともなく。
　　ただ・ただ・・・静かに、暗い沼の底に沈んでいく。



そんな、状態が、毎日・毎日。



Vol-Nextの曽我さんにも、相談しました。
受話器を握りながら、涙ぼろぼろ・・・


曽我さんは「無理しないで大丈夫。一度、治療を休んでみたら・・・」って。



でも、治療休むことは、本当に怖くて。
でも、治療を受けることは、もっと怖くて。




そんな、状態を抜け出せないまま。　５クール目投与の朝をむかえてしまいました。



当日の朝。
いつも通りに、準備をしているんだけど・・・・



家族が出かけてしまうと、涙がぼろぼろ。



病院への出発時間は過ぎているのに、家事が終わらない。
「行かなきゃ！　行かなきゃ！　行きたくない！」の繰り返し。



病院到着予定時間には、まだ最寄駅にいて。
「行かなきゃ！　行かなきゃ！　行きたくない！」



どうやって、病院まで歩いたのか、よく覚えていません。



抗がん剤治療室へ入って。　　ベットに横になりたかった。
いつもは、リクライニングできる椅子。
この時は、ベットにもぐりこみたかった。



でも、珍しくベットは、いっぱい。


仕方なく、リクライニング椅子に座って。
健康調査ノートをテーブルに置いて。
ぴったりとカーテンをしめて。
リクライニング椅子に、体育座り。
頭から、毛布をすっぽりかぶって・・・・・



看護士さんが、色々お話してくれも、返事もできない。
申し訳ないって思っても、ここに座っているだけで精一杯。



毛布の中から、左腕だけ「ニョキ」っとだして、血管確保のために温める。



主治医・北島ウルトラマンが、珍しく投与前に来てくれた。



　　北島　：　「のあねこさん。　顔見せてよ」

　　のあ　：　「もう～～　抗がん剤嫌です」

　　北島　：　「顔・見せてくれないの？？？？」

　　のあ　：　「・・・・・・」

　　北島　：　「４年前はね。CEFは４クールだったんだよ。
　　　　　　　　だから・・・今、投与をやめても、一応の治療はやった事になるよ。
　　　　　　　　でも、６クールやったほうが、よりよい効果がある！という
　　　　　　　　データがでてきた。
　　　　　　　　だから、今は６クールなんだよ。」

　　のあ　：　「・・・・・・・・」

　　北島　：　「とりあえず。顔見せてよ」

　　のあ　：　　顔を、ちょこっと出した気がします・・・・

　　北島　：　「おはよう。　さ～どうする？？？
　　　　　　　　あとは・・・のあねこさん自身が決めること。
　　　　　　　　でも・・・・今日、受けていくんでしょ。」

　　のあ　：　「・・・・・・・」

　　北島　：　「だって、きちんと病院に来ているし。
　　　　　　　　腕・・・温めているじゃないの！　　では、お大事に」



ぎょえ～～～　先生の意地悪！！！！
もう少し、優しい言葉はないのか！！！
私が、こんなに悩んでいるのに！！！！


なにが・・・データだ。　
そんなの関係ないぞ～～～


ぶぁ～～～かぁ～～～～


悔しい～～～
受けるわよ！　　受けるっての！


あっ！　しまった。　　やるって、言ってしまった。



すっぽり毛布をかぶったまま・・・
左腕だけ、ニョキっとだして・・・
淡々と点滴を受けました。



看護士さんも、看護助士さんにも、たくさんご迷惑をおかけしました。



６クール目はね。
意外と、すんなり治療を受けることができたんですけど・・・


５クール目は、すごかったです。


後に聞いた話では・・・・・


「データがあるよ」　とか　「お大事に・・・」　なんて言い放ち！
そそくさと、外来診察室へ戻っていった　北島ウルトラマン。


私の点滴中に、診察の合間をぬって、何度も電話くれていたんだって！



　　　「のあねこさん。　大丈夫？」　とか
　　　「いつもと様子が違うから、目を離さないでよ」とか。



「ぶぁ～～かぁ～～～」なんて言って、大変失礼いたしました。


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残り１/４の壁。

難しいですよね。


きっと、子供たちの勉強とか・・・・あ！受験の時とか。
気をつけなくてはいけませんね～～


この「５クール目事件」は、絶対に忘れないようにしなくっちゃ！



こんな経験をしながら、
今、治療を頑張っているお仲間さんに「後、少しだよ」なんて言葉をかけていたような。


大変　失礼いたしました。