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テーマ:地方自治(20)
カテゴリ:生き方・モラル
これまで見て見ぬふりをしていました。
何がって? 鹿児島県阿久根市の市長のことです。 市長選挙中のブログ更新や、市長当選後の数々の行動が物議を呼び、 全国レベルである意味有名になりましたね。 その行動たるやすごいです。 自身のブログで敵対する人々をこき下ろすのは当たり前。 たとえば市の職員全員の給与明細を、突然、庁舎内に貼りだし、 たまりかねた職員の1人がそれを剥がすと、今度はその職員を懲戒解雇。 不意打ちで、市議の報酬を半額カット、 市の職員の期末手当を3分の1カット。 防災無線を使い、マスコミを非難する演説を全市域に流す。 これらを誰にも諮らずに、独断でやってるんです。 大概の人々は、 これを聞いただけでも顔をしかめてしまいます。 しかしそういう人が実際に選挙で市長に選ばれているんですから、 阿久根市民の過半が投票するような信念を持っているのではないか。 そういう公正中立な面持ちで、ウワサのブログを開いてみました。 さるさる日記 うーむ……(汗) なんだかなぁ。 僕の感覚では、正直なところまったく共感できませんでした 確かに今の政治家や公務員の、既得権に固執する甘えには 辟易する部分もあり、この市長の主張もわからないわけではありません。 しかし。あまりにも言葉が乱暴でぞんざいすぎ。 いくら良い考えであっても、刀で切り刻むような言葉や 人をバカにしたような言葉、あるいは人を茶化すような言葉を 羅列していると、本質的な議論はおそらくできません。 この市長は「今の民主主義はエセだ。私が本当の民主主義を実現する」 と公言されていますが、 返す刀でバッサバッサと切って捨てるような言動が、 この市長の考える「本当の民主主義」なら、ちょっと考えてしまいます。 「言霊」という言葉があります。 人の言う言葉、書く言葉には『たましい』がこもっているということ。 『たましい』、すなわちその人の根本ですね。 ぞんざいな言葉を出す人は、その人の心がぞんざいである、と言う証拠。 あるいは、元々性根が良くても、ぞんざいな言葉を放ち続けると、 だんだん心根もぞんざいになってくる。 その人がぞんざいであるなら、 本当に清く正しく美しい性根を持った人は、 近寄ってきません。 むしろ超ぞんざいな人を惹きつけるだけです。 人間社会を建設的に営んでいくには、 今や『Win-Win』の関係が欠かせません。 読んで字のごとく、関係する人たち全員が『勝ち組』なのです。 人間以外の動植物の世界では『弱肉強食』が当たり前ですが、 理性をともなった生き物である人間は、 『Win-Win』を意図的に編み出していける唯一の存在。 その観点からくだんの市長を見てみると、 およそ『Win-Win』とは言えない。 「弱者である阿久根市民の味方」を標榜していますが、 攻撃の対象である市議や市職員も大半が阿久根市民のはず。 これでは「市民第一主義」とは、僕は少なくともそうは思いません。 何だか彼のブログを読めば読むほど悲しくなってしまいました。 阿久根市とは縁もゆかりもない僕ですが、 しかし阿久根市民の複雑な心境は何となく推し量ることができます。
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