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テーマ:福島第一原発事故(375)
カテゴリ:防災・天気・防犯・事件
昨日の日記から派生した内容を書き留めたいと思います。
ken父さんのコメントにあった「放射能拡散予想図」。 これは文部科学省が所有するシステムが描画したんだそうです。 なぜこの図が迅速に公開されなかったのか。 文科省の担当者の弁。 「隠すつもりはなかったが、一般に公開するという発想はなかった」 ……要は隠してんじゃん というのが率直な感想。 じゃなぜ公開に踏み切らなかったのか、というと、 踏み切れなかったんだ、と。 どうして? この描画システムは、 電力会社から各種数値が自動伝送されてきて、 それをもとにコンピュータがシミュレーションし、 描画していくんだそうです。 ところが大地震のために電力会社からの通信が途絶。 数値が伝送されてこなくなりました。 万事休すかと思いきや、しかし関係者によると、 このシステムは手入力で数値を受け付けるモードもあり、 おおよその数値をインプットすることで、とりあえず描画までは完了する。 数値の精度にブレがあるため、完璧ではないものの、 おおよその放射能拡散エリアは把握できるんだそうです。 今回、問題になった予想図は、 その数値手入力モードで描画したものらしいのですが、 「精度に問題あり」として「無用の混乱を避けるため」、 結果的に公開に踏み切れなかった、と。 確かに精度が完璧でない図を、広く国民に知らせると、 昨日の日記でtaasieさんからコメントいただいたように パニックを起こし、被害拡大の懸念もあるとは思います。 しかし、せめて地元自治体の首長には知らせるべきではなかったのか。 原発のお膝元の各市町では、 地震直後に発生した原発内部の緊急事態が 首長にすら、しばらくの間は知らされていなかったんだそうです。 それでどうやって住民を避難させることができましょうや。 地震発生翌日の1回目の水素爆発の時、 爆発音を聞いた住民が「原発が爆発した!」とパニックになり、 シミュレーション図も何も情報共有されていない自治体からは、 「とりあえず、あっちの方角へ逃げて!」というのが精一杯だったとか。 ところがその「あっちの方角」は、 後から公開されたシミュレーション図では、 もっとも放射能が拡散していくエリアだったというのです。 住民は、まるで吸い込まれるように 放射能が降り注ぐエリアに逃げていったんです。 驚愕の事実です。 どうして緊急時に緊急システムがうまく運用できなかったのか。 マスコミの問いかけに冒頭の担当者は、 「緊急時の運用マニュアルが整備できていなかった」 と、すっとぼけた答えを返してきたとか。 緊急時のシステムなわけですから、 当然、緊急時の運用が想定されるのが第一義。 平常時に「うまく運用できるから良し」では、 何のためのシステムかわかりません。 ちなみにこのシステム、開発に110億円かけたんだそうです。 開発だけで110億円。定期的なメンテナンスにも相応のカネがかかっているはず。 ……これ、僕たちの税金がつぎ込まれているわけですね。 力が抜けてしまいます。
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