こんぱすコーチの全方位日記

先週月曜日から始まったオンラインクラス。
今回のクラスのテーマは『アサーティブネス』。

英語の『Assertiveness』を直訳すると『自己主張』となるのですが、
『自己主張』という言葉の響きは日本語上では何となく
『ワガママ』という印象が強いので、
本来の『アサーティブネス』の意味とは少しニュアンスが異なります。

しかるにアサーティブネスとは、
「自分と相手をお互いに尊重しながら、自分の言いたいことを伝える」
というコミュニケーション手法です。

日々、生きていく中で、自分にとって
不愉快なこと、不都合なこと、不快なことは日常茶飯事。
しかしそれを回避するために、
相手を責めたり、周囲に八つ当たりしたりしても、
相手や周囲の自分を見る目が悪い方に変わるだけで、
何の効果もありません。

いや、声の大きい人が威圧的に周囲を責めることで
形としてはその人の言うとおりに変わることもあるでしょう。
でも同時に周囲では「あの人には近づかない方が良い」という
評価が生まれます。
根本的には何ら変わらないし、関係性はむしろ悪化しています。

そして「アサーティブネスではない」状態がもう一つあります。
それは、「常に受け身的」で思ったことが口にできないこと。
たとえば妻が、声の大きい旦那の無理難題にいつも付き合わされて
閉口しているものの、旦那の逆上を怖れて自分を主張することができない。
我慢に我慢を重ねて限界を超えたとき、
「家を出て別居する」という選択が生まれるようなケース。

『アサーティブ』に、コミュニケーションをとれば、
自分の主張を素直に受け入れてくれる土壌が生まれるわけですが、
じゃあ具体的に何をどうすれば良いのか？　というと
これがけっこう難しい。

人間というのは、これまで育ってきた中で、
自分の身を守るための条件反射が培われているので、
少しでも自分にとって不快なことが起こると、
思わず反応してしまうからです。

とっさに反応して
無意識に感情的な行動に出てしまうのが人間の性。

まずはその無意識な行動を意識化するところから
始めなければなりません。

「あ、今、イラッとして乱暴な口調になっている自分がいる」
と、その瞬間、客観的に自分をとらえることができれば、
感情的ではなく理論的にアプローチできる入口に
立ったことになると思います。

僕が最近、努力していることに、
「人ではなく事象にフォーカスする」というフレーズがあります。

人間って、何らかの事象が生じたときに
「それって誰が言ってるの？」
「そのことについて誰が賛成してるの？」
と、ともすれば人にフォーカスした思考になってしまいますよね。
本来、フォーカスすべきは事象の方であって、
誰が言ったか、賛成したかは関係ないはず。

人にフォーカスすることが高じると、
仮にある人に「あいつはダメな奴」とレッテルを貼ってしまうと、
その人がどんなに正しいことを主張しても
「ダメな奴の主張」イコール「その主張は間違っている」
という理屈にすり替わってしまうんです。

これではその人は浮かばれませんし、
自分も学びの場を台無しにしているわけです。

事象にフォーカスして考えるクセがつくことで、
人に対する評価は脇に置くことができ、
純粋に事象について真摯に対峙することができる。

起きている事象について考え、行動し、学ぶ権利が
自分にはもたらされます。

そして相手は、自分の主張が受け入れられた、
と感じることができるので、
相手の権利も尊重されたことになります。

「人にフォーカスするのではなく事象にフォーカスする」
これも一種の『アサーティブネス』だと思います。

【送料無料】言いづらいことが「サラリ」と言える本 価格：580円（税込、送料別）