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カテゴリ:ビジネス・経済・政治
かねてより参加するか否かの議論が続いていた
TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)の話題がかまびすしくなっています。 TPPとは何ぞ? というのはウィキペディアにでもお任せするとして、 先日、韓国と米国が関税撤廃で合意したことを受け、 その議論に拍車がかかっている。 僕はTPPへの参加に関してどちらを推すかというと、 『参加』の方です。 というか、もう日本は『参加』の方向しか 選択肢がないように思います。 他国同士がTPPへ参加し、日本が参加しないままだと、 日本の工業製品だけ関税がかかることになり、 輸出国家としては致命的な情勢になります。 今こぞってTPP参加に反対しているのは 農家や農家を票田にしている政治家です。 彼ら曰く 「TPP参加は日本の農業をダメにする」と。 本当にそうなのでしょうか。 たとえば米やオレンジが自由化されて久しいですが、 じゃ日本から米作農家やミカン農家がなくなったでしょうか? 僕が思うに 「よりやる気のある自己責任型農家と、 国頼み・行政頼みの責任転嫁型農家との選別」がなされ、 責任転嫁型農家は市場から退場していただき、 その結果、交付する補助金が省略できたし、 米やミカンの品種改良が劇的に進んだ。 メリットの方が多かったのではないかと思います。 人はとかく変化を嫌います。 太古の昔、環境の変化は即、命に関わることだったので、 DNAとして末代まで色濃く残っているからです。 楽天ブックスで検索をかけると「反TPP」を掲げた本ばかりが 引っかかるのに驚きますが、 これもそういう深層心理がなせるワザでしょうか。 しかし変化なくしてイノベーションは起こりません。 今、農家の皆さん全員が反対しているとは限らないと思います。 イノベーションを志向している農家は、 TPP参加をむしろチャンスと捉えているかもしれません。 ただ仮にTPP参加が今後も見送られたとしましょう。 じゃそれで農家が安泰かというと決してそうはならないと考えます。 日本だけがTPP不参加ということで、輸出産業は大打撃を受けます。 大手メーカーは海外進出が加速し、 そして間接的に輸出に貢献してきた国内企業は仕事がなくなります。 ただ座して待つだけでは死を意味しますので、 いよいよというときに結局イノベーションが起こる。 どんなイノベーションか? 僕が推測するに『農業の工業化』です。 今や爆発的に地球人口が増加し、食糧の確保が問題になっています。 自国の消費分は自国でできるだけまかなうことが、 今後は求められる。 その時に、お天道様が頼みの綱のままの農業や漁業では とても心許ない。 かくしてかつては輸出産業で栄えた企業群が 工場で作物を栽培し、魚を養殖する産業にこぞって参入します。 こうなると行政も考えなきゃいけないわけですが、 農林水産省が経済産業省と一緒になるような再編は まず起きないでしょうから、 結局は民間主導でこの種のイノベーションが演出されることになります。 その時、国頼み・行政頼みの責任転嫁型農家は、 農業漁業企業から相手にされないのでタイアップできません。 結局は自動的に市場から退場せざるを得なくなります。 TPPへの参加は、責任転嫁型農家の退場を単に早めるに過ぎないわけですし、 不参加は退場するタイミングを先送りするだけ。 農家を票田に抱える政治家さんたちも、 そろそろ気づいた方がよろしいのでは。
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