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カテゴリ:コーチング・コミュニケーション
先週の土曜日に、日本コーチ協会・埼玉チャプターの定例セミナーで
日本コーチ協会理事の市毛智雄さんに講演をしていただきましたが、 いろいろと考えさせられることがありました。 人というのは常に問いの世界で生きているんだそうです。 考えてみれば、朝、目覚めたときから自問自答が始まりますよね。 「寝床から起きようか、それともとどまろうか?」と。 就寝するときもそうです。 「今日はどんな1日だったか?」 「反省するところは何だったか?」 「明日は何をしよう?」 「明日はどういう日でありたいか?」 「寝る体勢は?」 と。 こうして考えると、人というのは他人からの質問や自問自答を含めると、 起きている時間は(いやひょっとしたら就寝中も)常に 問いかけられる世界の中にあります。 心理学を専攻された市毛氏によると、 「それは『脳が質問好き』だから」なんだそうです。 そして問われると考えるし、問いの方向に意識が向かう。 となると、質問の性質によって思考回路や行動にも 影響が出てくるんだとか。 ある取り組みに失敗してしまったとき。 そのときに 「どうしてこんなことになってしまったんだろう?」 と自分に問いかけるか 「この失敗を教訓にして次にやれることはなんだろう?」 と問いかけるか。 片やネガティブ質の質問でもう一方はポジティブ質。 前者だといつまでもクヨクヨしている自分から抜け出せなくなり、 今後も何かしら行動をセーブする思考になってしまいます。 後者は「次こそは」という前向きで右肩上がりの思考。 失敗を活かして新たに成功への第一歩を踏み出せます。 質問の性質が陰か陽かで これだけ今後の行動やパフォーマンスに影響が出てしまいます。 同じことは組織にも言えていて、 たとえば経営トップが「売上は? 利益は?」という質問ばかりだと 社員はみんなそっちの方向へ意識が行ってしまう。 その組織は、売上や利益しか追いかけなくなり、 社会性や公共性、コンプライアンスといった分野がおろそかになります。 CDやDVDレンタルの大手・TSUTAYAで本当にあったエピソードですが、 新宿・渋谷エリアの店が常にダントツの売上を誇った時期があったんだそうです。 日本を代表する繁華街エリアなので、客数が多いからなんだろう、 とも思いますが、 実はキーポイントになったのは、当時のエリア担当マネジャーの存在だとか。 各店舗の従業員数を足すと、アルバイトも含めて300人超になるのですが、 彼らがとにかく明るくて笑顔満面なんだそうです。 どうしてそんなにみんなが明るいのか? そのマネジャーにインタビューしても 特に自分はこれといったことはしていない、の一点張り。 確かになにがしかのイベントを仕掛けるとか、 報酬面で手心を加えるとか、 そういうことはしてなさそう。 ところが1つだけ「これは」というシーンがあった。 そのマネジャーは、各店舗を巡回すると 店舗内の社員やアルバイトの誰彼かまわず ポジティブな質問をぶつけていたのです。 それだけで従業員みんなの気持ちが高揚し、 明るくなって、その雰囲気がお客さんにも伝播していく。 質問力が顧客動員数に影響を与え、 売上成績の向上にまで昇華していったわけです。 『問いの力』。これは決して侮ることはできません。
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