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カテゴリ:コーチング・コミュニケーション
ある若手の女性社員がいます。
彼女の仕事ぶりはというとお世辞でも良いとは言えず、 聞くところによると就業中でもうつらうつら居眠りをしているとか。 予定していない突然の休暇も多いため、 急ぎや重要な仕事を彼女に任すことができず、周囲は困っています。 当然ながら人事評価も低い。 今、2巡目の個人面談をしてまして、 先日、その彼女の順番がきました。 しかも最初に取り決めた実施日に、彼女は体調不良で早退。 いわゆるドタキャンを喰らわされ、リベンジというシチュエーション。 そういうこともあってか、彼女の表情は暗く、堅い。 今回は全員に個人面談を行うときまで、という期限で 宿題を課していたのですが、どうやらそれもしてなさそう。 それも表情の堅さに拍車をかけている感じです。 何となく気まずい空気が流れ始めました。 その瞬間、僕は話題をコロッと変えました。 彼女は実の姉と従兄弟との3人で共同生活をしていて、 しかも彼女の収入で生活をまかなっているそうなんです。 炊事や掃除などの家事もほとんど彼女がやっている。 要するに一家の大黒柱的存在。 そういう話を最初の個人面談のときに聞いていたので、 スッとそちらの方に話題を変えつつ、 今回の個人面談のテーマにつなげてみました。 するとさっきまでの鬱々とした彼女の表情から 瞬間、笑みがこぼれ、 木訥ながらも次から次へと言葉が出てくる。 3人で暮らしていて大変なこと、困難なこと、 嬉しいこと、家事のし甲斐があること……。 彼女の生活のさまが僕の頭の中で立体的に浮かび上がります。 30分後、笑顔で「ありがとうございました」と 椅子から立ち上がる彼女がいました。 今回の面談を経ても、彼女の仕事ぶりは基本的には変わらないでしょう。 やっぱり職場内では居眠りをしたり突然休みを取ったりと、 ひんしゅくを買う場面は引き続きあるんだと思います。 だから評価も低いまま推移すると思います。 でも、そういう職場であっても、 「プライベートの生活でがんばっていることを知っている人が社内にいる」 そう思ってもらうだけで、少しは張り合いが出るのであれば、 僕はとりあえずはそれでも良い、と考えています。
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