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カテゴリ:コーチング・コミュニケーション
長年、中間管理職という立場にいると、
どうしても部下に対して被害者意識になります。 「彼はこっちの言うとおりに動いてくれない」 「彼女は何を考えているのかわからない」等々…。 管理職の側は部下を加害者扱いにし、 自分を被害者に装うわけですが、 プロのコーチに言わせると、 部下がそういう態度に出る原因は 往々にして「管理者たる自分が仕掛けている」んだそうです。 思い当たるフシはあるので、 僕は今の部署に来てから部下に対しては、 こちらから先に朝の挨拶をし、 帰るときには必ず部下たちの席に行って「お先に」と 声がけすることにしました。 上司の方から積極的に声がけがなされることに 当初はとまどいの表情を見せていた部下の皆さんですが、 最近は笑顔で返してくれるようになったことです。 例の評価表でも 信頼関係を問う設問に対する自由回答で、 「日常、部長から積極的に挨拶してくれることで、 自分たちは信頼されていると感じる」 という回答を数人からもらいました。 ほんの少し働きかけることで、信頼関係が醸成されるわけで、 挨拶の効用ってバカになりません。 ところが、被害者意識に囲われた管理職は、 このほんの少しの働きかけをしていない。 そういう意味では信頼関係を壊す加害者にまわっているんです。 コーチング養成の機関から定期的に配信されてくるメールマガジンに、 こういう記述がありました。 なぜゆえ部下は上司の思ったとおりに動かないのか? という問いに対して、部下が思っていること。 ●「結局、自分たちは任されていない、と感じている」 部下に対して「任せるよ」と言いながら、次の瞬間、 箸の上げ下ろしに至るまで小うるさく指示を出す。 上司にしてみれば危なっかしくて見ていられないんでしょうが、 そういう対応をされた部下の方から見れば、 「あ、自分は信頼されていないんだ」となる。 ●「結局、様子を見てから動いたほうが得、と感じている」 朝令暮改、と言えば聞こえは良いですが、 朝、聞いた話と夕方に指示される内容がまったく逆、 と言うことが何度も続くと、 結局、夕方まで待てばよい、朝の話はまともに聞かない方が良い、 というマインドになってしまい、組織としての動きが鈍重になる。 ●「責任の所在があいまいで、まさか自分がやるとは思っていなかった」 当の管理職が、思いつきでどんどんアイデアを出し、 大した思慮もなく、たまたまそこにいた部下に「やってくれ」と命じる。 部下の方は「何で私が!?」と、 そのミッションを自分が実行する意味が見いだせない。 結果、テキトーにこなして終わり。 そういう管理職は、次から次へと「思いつきミッション」を その場に居合わせた部下に押しつけるので、 自分自身もどんなタスクがどういう状況で流れているのかわからなくなる。 結果、組織としてエネルギーをムダに使うハメになる。 ●「目標達成に対するコミットが薄れていく」 1つのミッションが与えられたと思ったら、その仕事が達成しないうちに どんどん次のミッションが与えられる。 キャッチボールにたとえると、 一度に4球も5球もボールを投げられた状態。 これでは1つの仕事を達成した、という達成感が味わえないので、 仕事に対するモチベーションが失われていく。 ●「組織体制がコロコロと変わることによって、 育成マインドも薄れていった」 半年ごとに組織をいじられる。 部下にしてみれば、その場しのぎで組織を改編しているように映る。 目標を達成していようが未達であろうが、 組織が改編されるとゼロクリアになるため、 「まぁいいや、来月にはご破算になるから」と、 部下たちはあたかもゲームのリセットボタンを押すような錯覚に陥る。 これではいつまで経っても目標は達成できない。 こういう状況が見えてくると、 部下は上司に対して「受動的攻撃」を仕掛けてくる。 受動的攻撃。 指示命令をいったんは受け取ったように見せかけて、 実際には動かない。いわゆる『面従腹背』ってヤツです。 僕が部下の立場に置かれた場合、 上のような現象が上司からもたらされると、 やっぱり受動的攻撃をしていました。 今度はヘタを打つとその攻撃を受ける立場になりました。 そうはならないように、 日頃から自覚を持って事に当たりたいと思います。
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