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カテゴリ:ビジネス・経済・政治
オリンパス、大王製紙、読売巨人軍……。
今、世間の耳目を集めている3つの会社のできごと。 そのできごとの中身は違えども、僕はある共通点を見つけました。 それは、 「企業のトップには絶大な権力がある」 ということです。 オリンパスは20年前の財テク失敗の損失を隠し続けるため、 前トップがブレーンと共謀して不明朗な企業買収を行った。 大王製紙はオーナートップがカジノの遊興費を捻出するために、 会社の資産に手をつけた。 読売巨人軍は、いつまでたっても経営に口を出してくる実質オーナーに 反旗を翻した球団代表が解雇された。 会社法では株式会社の運営に際し、 取締役が代表取締役を補佐し、時には牽制し、 民主的な企業運営を図ることが定められていますが、 これはあくまでも建て前の世界。 実際には企業トップの立ち位置と、 他の役員の立ち位置はまったく度はずれた高低差があるようです。 とある大企業の副社長の言葉に、こういうのがありました。 「社長と副社長との間の距離は、 副社長と新入社員との間よりも隔たりがある」 トップの絶大な権力を象徴するコメントじゃないでしょうか。 ましてや大王製紙のようにトップがその会社のオーナーだとしたら なにをかいわんや、です。 先の会社法という法律は民法が土台になっているのですが、 その民法の規定の中に「善管注意義務」というのがあります。 会社組織においては、株主から委任を受けた取締役は 会社の健全な運営に資するため、 「善良な管理者の注意をもって、委任事務を処理する義務」 を負っているわけで、善管注意義務が生じています。 でも、トップの絶大な権力といういびつな構造では、 いかなトップが不祥事を働いたとしても 「善管注意義務」を履行することは難しい。 オリンパスや大王製紙のように、 検察という国家権力が登場してようやく その違反事実が暴露されることになるのです。 でもそこまで行ってしまうと大きなイメージダウンは避けられず、 企業価値は大いに毀損してしまいます。 読売巨人軍の場合、 清武元代表が「世間を知らない」「まるで子どもだ」と叩かれていますが、 僕はああいう行動を取らねばならないほど、 渡邉なにがしの横暴が際だっている、と見ました。 齢85歳にもなって未だに読売グループに君臨しているんです。 後進に道を譲るタイミングを20年も逸している。 何をそこまで拘泥しているのかわかりませんが、異常です。 さらに異常なのは、その渡邉主筆を世間の名だたる人たちが みんな擁護している。あの長嶋さんですら。 不思議でなりません。 バブルの頃、兵庫銀行という神戸の第二地銀があって、 たまたまそこの有価証券報告書を見ていたら、 オーナーが齢90歳近い年齢で代表取締役会長を務めていることを発見しました。 「なんじゃぁ? この銀行は?」と思っていたら、 バブルがはじけたとたんに経営がおかしくなり、 今はすっかりなくなっちゃいましたね。 読売グループがそうならなきゃ良いですけど。 話がそれましたが、 企業のトップというのはそれだけ権力が絶大なので、 それに見合う応分の能力が必要だ、と僕は思います。 能力というと、どうしてもIQに代表されるような 知能指数がうんぬんされてしまうのですが、 学校の勉強がよくできる知能指数はこの際一切関係ありません。 1年前の日記にも書きましたが、 EQ(Emotional Intelligence Quotient)、 つまり「心の知能指数」が高い状態が必須だと思うのです。 1年前の日記では聖職者や公務員を引き合いに語りましたが、 企業の経営陣にも十分言えることだと思います。 どこかで「EQポイントが○○点以上じゃないと、企業経営者にはなれない」 という法律でもできないものでしょうか。
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