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テーマ:ビジョンに関すること。(4)
カテゴリ:ビジネス・経済・政治
「『ビジョン』の正確な定義を知りたいんです」
昨日のコーチング・セッションでマイコーチにこう切り出しました。 『ビジョン』。 人生を育むときや組織を運営するときに しばしば登場する言葉です。 ところがこの言葉。簡単な言葉のようで「その定義は?」と問われると、 今ひとつ鮮明じゃありません。 それに、類似した言葉で『ミッション』というのもあります。 この言葉と『ビジョン』はどう関係している? なーんて問われると もうさっぱりよくわかりません。 僕も中間管理職の身。 幾人もの部下と一緒にひとつの方向へ進むためには、 自分自身がきちんとしたミッション・ステートメントやビジョンを 持っている必要があると思うのです。 でもそのとば口になる言葉の定義があやふやではいかんともしがたい。 ところが僕の問いかけにマイコーチは意表を衝いた返しをしてきました。 コーチ「それ、意味を知ってどうなるんですか?」 --え? どうなるって……。 コーチ「まさやんにとって『ビジョン』の意味をしっかり把握することに どんな意味があるんでしょう?」 ちょっと意地悪さを醸すコーチの質問に、僕はとまどい始めました。 でもなけなしの頭をフル回転させながら、 ・ビジョンを打ち立てている人は、ビジョンの言葉の本当の意味を、 果たしてしっかりと把握しているのだろうか、という疑問。 ・言葉の意味があやふやな人が立てたビジョンは、 内容をしていかがなものか、という思い。 ・自分がビジョンを立てるためには、 言葉の真意をしっかり把握しておかないと格好つかない、という恐怖。 そんなことを語りました。 するとコーチは、 コーチ「私も仕事柄、さまざまな会社のWebサイトを閲覧して 各社の『ビジョン』『ミッション』『理念』を調べたことがあるけど、 それこそ各社各様。 『ビジョン』の中に『ミッション』が包含されていたり、 逆に別の会社では『ミッション』の中に『ビジョン』」が含まれていたりする。 まさやんが気にしている言葉の意味よりも、 各社各様の「意味の持たせ方」が重要なのでは?」 そんなどうとでもとれる答えを返してきました。 「いや、でも…」と食いつき、 --あのね、コーチ。僕の勤務先では何年かおきに『ビジョン○○○○』という 「中期経営計画」を立ててるんですけどね。 その実、中身は策定期間中の売上計画と利益計画なんですよ。 いくら各社各様の意味の持たせ方を肯定したとしても、 僕はそれを『ビジョン』と思わないんです。 すると…… コーチ「あ、それは『ビジョン』ではないですね」(笑) やっぱり!(爆) 組織運営上の『ビジョン』『ミッション・ステートメント』とは、 任意の期間経過後に組織のあるべき姿、望ましい姿を指し示していて、 その内容には「社会にどう貢献しているのか」 という基本原則が入っていることが肝要。 単なる売上・利益数値は、 それ自体が世の中への貢献度を説明していることにはならないので、 『ビジョン』にも『ミッション』にも非ず。 マイコーチから授かった知識でした。 なるほど、パナソニック(旧・松下電器産業)を興した松下幸之助翁は、 『水道哲学』と称し、この世にあまねく電化製品を廉価に供給し、 暮らしの質を上げることをミッションにしていましたし、 『ユニクロ』を展開しているファーストリテイリングは、 世界中の識字率を向上させることをミッションに置いているんだそうです。 Googleは、世界中の情報をIT技術を使って整理し、 情報革命を起こすことにビジョンを置いている。 世のビジョンメイキングをしている皆さん。 あなたの作っているビジョンには 『社会に対しての変革・貢献』を示すものが 入っていないといけないようですよ。
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