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カテゴリ:ビジネス・経済・政治
日本経済新聞に『私の履歴書』という人気コラムがあります。
月替わりで一人の人間に焦点を当て、 その人の半生を毎日つづっていく趣向。 企業経営者や政治家、学者、芸能人と、 登場人物のジャンルは多岐にわたり、 その人となりや意外な一面が見えて、なかなか読み応えがあります。 今月は大和ハウス工業の会長である樋口武男氏が ご自身の半生をつづっています。 その中で、 下積み生活を経て、 成績が芳しくない営業所の所長になると、 スパルタ式で社員を締め上げ、 業績を回復させたというくだりがありました。 予算の内容がなっていなかったら、 予算書を破って投げつけるだの、 弁解する課長たちに向かって「辞めてしまえ!」と 怒鳴るだの。 今から30年も40年も前の話。 高度経済成長を謳歌しているさなかであり、 日本人が等しく前を向いて豊かさを求めていた時代。 そういう環境下だからこそ、 スパルタ式が受け入れられていたのでしょう。 業績が回復したからハッピーエンドなのですが、 多様な価値観が尊重される現在で、 果たしてこのようなマネジメントは受け入れられるでしょうか。 業績が良くなる前に、社員は本当に辞めていくんじゃないでしょうか。 他にマネジメントのやり方はあるのか? そういえば同じ住宅関連の企業で、 やはり低迷していた営業所をみごと建て直した事例があります。 万年赤字で、だから営業所も古くさい雑居ビルの一角に追いやられ、 従業員はみんな辛気くさい。 そんな場末の営業所に赴任した新所長は、 社長に直接掛け合い、 黒字になったら新しいビルに移転しても良い という約束を取り付け、それを所員に公表。 がぜん、所員のモチベーションが上がり、 果たしてわずか1年で黒字に転向し、 めでたく新しいビルへ移転することができたんだそうです。 社員のモチベーションを引き出すマネジメント手法は、 恫喝や脅迫による強制的なものから 共感や夢の実現を育む自発的なものに 明らかにシフトしていると感じます。
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