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テーマ:日本語は難しい!(9)
カテゴリ:会社員やってます
今朝出社してみると、机の上の未決箱に
部下・Sくんからのメッセージが書き付けられた紙が入っていました。 見ると宛先に『まさやん部長殿』と書かれてあります。 --部長…殿…? 軽くため息をつきました。 --彼も勘違いしてるなぁ……。 Sくんはとても律儀な性格で、その仕事ぶりも定評があります。 その彼ですら敬称の用法を間違っている。 組織の世界では相手を肩書きで表記することが、 既に敬称になっています。 つまり「まさやん部長」だけで十分OK。 現に、口頭で相手を呼称するときに 「○○社長殿!」「○○部長殿!」なんて言いませんもんね。 肩書きに加えて「殿」を重ねると、 これは二重敬称の用法となり、 かえって失礼になります。 さらに言えば『殿』を用いるのも問題あり。 そもそも『殿』というのは、役所言葉であり、 彼らが一般庶民に差し出す文書には 必ず宛先の敬称が『殿』となっています。 これは「お役人が卑しくもお前のような庶民に わざわざ文書を下賜するのだ、恭しく受け取れい」 という意味が込められており、 ある意味、役人が市民を蔑視している象徴の言葉です。 なので、この『殿』を目上に対して使うのは、 大変失礼に当たります。 そういうわけで最近は『様』と表記する自治体もあるくらいです。 何となく僕たちは感覚的に『様』よりも『殿』の方が重みがあって 『殿』の方が、より相手を敬う気持ちが表れている、と思いがちですが、 実はまったく逆なんですよねぇ。 そんなことを出社してきたSくんに指摘してあげました。 律儀な彼は僕の解説を聞いて、ぶっ飛んでました(苦笑)
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