こんぱすコーチの全方位日記

今日もFacebookの話です。
破竹の勢いで世界中に広まった世界最大のSNS、Facebook。

昨年、アラブ諸国の市民が独裁者の圧政にたまりかねて立ち上がり、
各国で散発的に民主運動が始まり、それが大きなうねりとなって
いくつかの国で革命が実現した『アラブの春』。
これにはTwitterと並んでFacebookも、革命の立役者として脚光を浴びました。

個人の発信が、友達の友達、さらにその友達と、
瞬く間に口コミとして広がっていく。
そして知り合いを媒介とした口コミほど、人はその情報を信じる傾向が高い。
しかもFacebookは原則として本名をアカウント登録することとなっているため、
そこで交わされる情報の信憑性は、他のSNSや匿名掲示板の比ではありません。

そんな人間心理が、企業の広告手法にもイノベーションをもたらしました。

たとえばある商品を紹介するコンテンツをFacebook上に開設し、
PRを行って購買意欲を高めます。
その商品を買ったFacebookユーザーの中で、その商品を賞賛する書き込みを行うと、
その情報はFacebook内で口コミとして広がっていきます。
情報に信憑性があるため、そのコメントを受け取った別のユーザーが
「じゃあ自分も買ってみようかな？」となる。
そういう人が多ければ多いほど、その商品のヒット率が高まります。

つまり、これまで不特定多数の人向けに行ってきた広告より、
Facebookでのマーケティング活動の方が、
はるかに少ないリソースで最大限の効果を得られるのです。

そういうわけで今や多くの企業がこぞってFacebookにページを開設しています。
佐賀県武雄市のように、市役所のホームページまで
Facebookに移設するケースが出てきました。

Facebookの光の部分を見ていくと、あらゆる可能性が語られ、企画され、
市民生活や企業活動に大きなイノベーションを起こす、
時代の立役者としてもてはやされています。

しかし光あれば陰があるのは世の常。

昨日書いた、Facebookユーザーが意図しなかった相手を
「知り合いでは？」と提示してくる気持ち悪いシステム。
これも、ユーザーが「気持ち悪い」と思った瞬間、
そのユーザーはその仕組みをFacebookの陰の部分と認知します。

また、Facebookを通して購入したアイテム、
Facebookユーザーがつぶやいた瞬間の所在地、
そこに誰といるか、何をしているか。

そんな細かい個人の行動内容が、ネット上にさらけ出されます。
知り合いだけだったらまだしも、
場合によっては友達の友達にまで、その内容が知られます。
自分から見たときの友達の友達って、赤の他人。
要は不特定多数の人間に、自分の行動がすべてさらされるのです。

アカウント登録すると、
同時に自分の顔写真を登録ことが推奨されています。
匿名性を排し、情報の信憑性を担保するための手段なわけですが、
あくまでもこれは性善説に基づいた運用。
よく分からずに未成年の子どもが自分の顔写真を登録した結果、
Facebookを『体の良い出会い系サイト』と解釈して登録した人間に
ストーキングされないとも限りません。

このような問題が本国の米国でも取りざたされているのだそう。

今年、鳴り物入りで米国ナスダックに上場しましたが、
前評判はどこへやら、上場直後に株価は急落。
多くの投資家から大ブーイングを受けました。

こういう株価の動きも、
Facebookの陰の部分を暗示していたのかもしれません。

さりとてFacebookが次代のコミュニケーションツールとして
大きな橋頭堡を今後も築き続ける可能性は高い。
節度を保ちながら、今後も使っていきたいとは思います。

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