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テーマ:品格とモラルについて(3)
カテゴリ:生き方・モラル
「金を払ってるんだから」という理由で、
上から目線で平気な顔してムチャ振りする人っていますよね。 そういう人を見ると、何だか悲しくなってしまいます。 とはいえ、僕も若い頃は若気の至りで 「金を払う側が立場が上」という間違った解釈でいました。 あれは何ですかね。三波春夫が 「お客様は神様です」なんて言ってたのがよくなかったんですかね。 「金を払うお客は神様と同等なのだから、どんなクレームを言おうが、 ムチャ振りをしようが、それはお客の特権だ」なんて間違った解釈を インプットしてしまっていたわけです。 でも実際、そんな理屈でムチャ振りすると、 振ってるこっちも気分が悪い。 振られた相手の表情が苦しさで満ちあふれているのがわかりますから。 そういう風につらつら考えてみると、 結局、モノを売る人、モノを買う人って 今さらなんですが立場は同等なんですよね。 僕は車を何回か乗り換えていますが、 今お付き合いのあるディーラーでは3台購入しました。 担当者は途中から代替わりしましたが、 今の担当者ともかなり和気あいあいとした関係です。 車ってやっぱりそれなりの買価ですから、 買う側にしてみれば気が大きくなりますし、 ちょっとでもディスカウントさせようと、 意地悪な振りもしたくなります。 でも僕は、そんなムチャ振りした結果の、相手の表情を見るのが辛いので、 あんまり執拗な話の持っていき方をしません。 「最近の値引き幅の相場ってどんなもんですか?」 みたいな質問をするぐらいです。 そうすると、こっちが何も言わないそばから、 担当者の方からズバッと下げてきてくれる。 「えっ? いきなりそこまで下げて良いんですか?」 といぶかると、 「あ、いつもご贔屓にしてくださってるから、 思い切ってここまで勉強します。まさやんだからですよ。 他の人にはここまでしませんから」 なんて答えが返ってくる。 「同じようなことをどの人にも言ってるんでしょ?」 とツッコミを入れたくなりますが、 しかし値引きは値引き。悪い気はしません。 アフターでも、何かと細かくフォローしてもらっています。 結局、カネを払う立場だから、という理由で 上から目線でムチャ振りをするよりも、 目線を合わせて、対等な立場でやりとりする方が、 断然気持ち良く買い物ができるし、アフターフォローも気が利くし、 結局は安上がりなような気がします。 僕が籍を置いている印刷業界は、 もはや底なしの値引き合戦が続いています。 クライアントも「値段を下げてなんぼのもん」的な勢いで交渉してくる。 言葉を濁すと「ああ、応じられないなら良いよ。 業者はアンタとこだけじゃないんだから」 と冷たい言葉を浴びせられ、さっさと発注替えを仕掛けてきます。 こういうモラルのない商談を繰り返すうちに、 体力のない印刷会社はどんどん戦列から離れていき、 最終的に残った印刷会社からしか成果物を享受できないわけで、 結局はクライアント側も損をする構図なんですけどね…。 値引き、値引き、ディスカウント、ディスカウント……。 こういう最悪の循環から逃れるためにはどんな仕掛けが必要か。 僕の勤務先の大きな課題でもあります。
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