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テーマ:"あすの日本を考える"(493)
カテゴリ:ビジネス・経済・政治
先ごろ、東京の国際フォーラムでIMF世界大会が開催されましたが、
その際に、文具・事務機メーカーのコクヨが開発し販売している 針なしホッチキス『ハリナックス』がプレスセンターに配布され、 「日本には、こんなスゴイ文具があるのか!」と、 各国マスコミ関係者の話題をさらっていったそうです。
僕も持っていますが、綴じ方はけっこう複雑で、 プレスすると紙全体をU字形に打ち抜き、 舌のようになった真ん中のU字状の紙片を折り曲げて、 別途、横棒状に空けた溝の中にU字状紙片を差し込む形で 綴じられていくのです。 針がないので、処分する際にも分別する必要がなく、 また、ケガの心配もありません。 子どもや高齢者にも優しい方式です。 「針なしで紙を綴じる」なんていう、 こういう発想は、日本ならではのようですね。 ただし1つだけ難点があって、 綴じられる枚数に限界があるんですが、 それがU字状の従来機種だと、せいぜい3~4枚程度。 しかも少し紙をずらすと、差し込まれた紙片がはずれて すぐにバラバラになってしまうんです。 ところがIMF世界大会のプレスセンターで配布された機種は改良版で、 10枚くらいまで綴じることができるそう。
打ち抜く型はU字ではなくH字状になったそうです。 この方式を発案したのはコクヨのママさん女性社員。 子どもさんと紙の模型工作をしていたときに、 紙同士をつなげる工程で原理を発見したんだそうです。 それまで、どう考えても妙案が浮かばなかったのが、 何の前触れもなく一瞬にして氷解したんですね。 おそらく彼女は無意識ながらも、 ずっと打ち抜く型のことを考えていたんでしょう。 古くは今から14年前の長野五輪の際、 選手村のトイレに温水洗浄便座が完備されていたことで、 これが評判を呼び、 それまで海外では鳴かず飛ばずだったウォシュレットが 爆発的に売れ出したきっかけになったらしいです。 洗浄便座を考え出したのは確か米国のメーカーだったと思うのですが、 より効果のある、そしてより使いやすい商材になったのは、 日本のメーカー(TOTO)が、地道な調査と研究を行ったから、 と言われています。 今、日本は新興国に追い上げられ、 欧米先進国からも突き放され、特に電機メーカーを代表するように 思いっきり冬の時代ですが、 しかし、日本のポテンシャルは失われているわけではありません。 一介のママさん社員が、世界のマスコミ関係者を感激させるほどの 商品を開発するだけのスキルとセンスを持っているのです。 もっと私たちは自信を持って良いと思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2012年11月20日 23時29分11秒
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