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テーマ:ファンド(48)
カテゴリ:ビジネス・経済・政治
物事を進めるのに、「客観的事実に基づいた合理的判断」は
実に聞こえが良い。 確かにそう思います。 しかしそれもケース・バイ・ケースなんでしょうね。 まず、動機が不純なのはいけない。 動機が不純だったら、 客観的事実を盾にしていくら合理的判断を求めても、 反発されてしまって終わりです。 そんなことを髣髴とさせる『事件』が、 先日から僕の比較的近しいところで起きています。 舞台は、毎日通勤で利用している西武鉄道。 数年前に有価証券報告書の虚偽記載が発覚し、 上場が廃止され、同社オーナーだった堤義明氏が更迭。 一時は会社存亡の危機にさらされましたが、 米国のファンドが再上場を期して株式を買い支え、 会社としては何とか持ちこたえました。 昨年は創業100周年を達成し、 今年は宿敵・東急との相互乗り入れで、 過去の確執を清算。仲良く手をつなぐ変容を遂げました。 そして期待されている再上場は今年か? と囁かれていて、 新たな時代へまい進していこうとしています。 そんな中、株を買い支えてくれていたはずの米ファンドから とんでもない要求が出てきたのです。 数ある要求の中で話題になったのが、 「赤字路線の西武秩父線の廃止」 「赤字運営の埼玉西武ライオンズの売却」 この要求に対し、 沿線の住民や自治体から「ナンセンス」の声が上がり、 にわかにかまびすしくなりました。 ファンドの要求に対し反対の立場をとる西武鉄道にとっても、 沿線の反応は追い風。 しかもファンドが要求してきた裏には、 「不採算部門を整理して再上場時の株価を吊り上げ、 うまく売り抜けよう」という魂胆が見え見えで、 なおさら反発のボルテージが上がるばかり。 これに驚いたファンド側が慌てて火消しに回るも、 各方面から同ファンドに対する怨嗟の声は今も収まりません。 彼らとしてはもっともな考え・行動だったんでしょうね。 でもやっぱり動機が不純なんですよ。 「自分良ければそれで良い」という根性の前では、 いくら客観的事実を積み上げようが、合理的判断を唱えようが、 関係ありません。 まぁ、海を越えた彼の地からは、 「ちっぽけな国土の中のほんの小さなエリアだから」 ということで、見くびりの一つもあったんでしょうね。 今回のことで、ちっとは学習したんじゃあないでしょうか。
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