こんぱすコーチの全方位日記

一昨日の日記の続きです。
ネイティブ韓国人の日本評論家・呉善花（オ・ソンファ）氏。

彼女の著作では、
近代における日本政府や日本人の考え・行動について
大絶賛しています。

そして当時、まだ民主化に程遠かった朝鮮半島の人たちにとっても、
日本人は尊敬できる存在として認知されていたようです。

どうして当時は日本がよく思われていたのか。

呉氏によると、中世から近世にかけて、
以下のような経緯があるようです。

中国（当時の「明」）は、「自分たちが最も高度でエライ」
という『中華思想』を持っていた。
『中華思想』によると、中国を中心として
そこから離れた場所に棲む人種は低俗で野蛮で文化も遅れており、
自分たちが教育指導してレベルを上げてやる必要がある、
という考えが根本にある。

陸続きの朝鮮は、この中国の中華思想を忠実に守り、
中国の庇護の下にあった。
彼らは中国以上に中華思想に染まっていた。
同時に、中国から見ると朝鮮より離れた場所に位置する日本は、
自分たちよりももっと低俗な人種が棲んでいることになり、
彼らは日本人を蔑視していた。

近世になって日本に黒船がやってきたのと同じく、
朝鮮半島にも諸外国から軍艦が近づき通商を求めてきた。
日本は黒船のインパクトから世界の情勢を何となく感じ取り、
開国→明治維新→富国強兵と一気に国を変革させた。

一方、中華思想に凝り固まった朝鮮は、
開国という発想がなく、ことごとく諸外国を蹴散らせた。
ところが皮肉にも中華思想の根本である中国（清）は、
諸外国に侵食され、国そのものが存亡の危機にあった。

当時の日本が懸念していたのは、ロシアの南下政策。
ロシアに朝鮮半島を侵略されると、
一気に日本までなだれ込んでくる可能性がある。
だから何としてもここは朝鮮に
民主国家として生まれ変わってもらい、
富国強兵を進めて、ロシアを食い止めてもらいたい。

そんな日本のたびたびの要望に対して
当時の朝鮮政府は、中国におんぶに抱っこであり、
まったく国を変える意思はなかった。
しかも蔑視している日本が成りあがってきたのを見て
面白いはずもない。
日本は中華思想から外れた野蛮な国、
というレッテルを貼り続けた。

ところが朝鮮内部では改革派も台頭し、
改革派・守旧派の間で内紛が起きた。
このとき中国（清）は鎮静させるため、
宗主国の立場で朝鮮の首都に入り、暴徒を鎮静させる。
同時に日本は「居留民保護」の必要性を感じ、
首都に兵を投入。

このとき、清の兵士は街中に繰り出して
市民に対して盗みや乱暴の狼藉を働き続けたが、
日本兵は「居留民保護」という大義名分があるため
規律を乱さず、模範兵であり続けた。


……と、まだまだ続くのですが、最後の一説を見ると、
当時の清の兵士と日本兵の態度の違いが如実に出ています。
朝鮮の師となる国であるべき清が、朝鮮市民を苦しみぬき、
朝鮮から見て野蛮な国であるはずの日本が、
朝鮮市民に友好的でしかも規律正しい。
こんな逆転現象が朝鮮の首都で起こったわけです。

この後、日韓併合後に朝鮮半島に上陸した日本人は、
兵士も民間人も朝鮮社会に溶け込むことに
心血を注いだそうです。

また、朝鮮の改革運動をしていた若者を
当時の日本政府は日本に招き、
日本が近代民主国家に生まれ変わった経緯や得た技術・知識を
余すところなく伝えた、と言います。
特にその立役者は、かの福沢諭吉だったそうです。

史実に完全に忠実かどうかはわかりませんが、
しかし概ね、このような歴史があったのならば、
実は日韓併合時代の朝鮮半島では、
現地の人と日本人は仲良く同居していた、
という話も少しはうなずけるというものです。

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