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「だめだな・・最近気持ちに張りがねぇ・・」
ぼそり・・とつぶやいた・・ ウーノス城下・・マエルの爺さんの傍で煙草をふかしながら遠くを眺めた・・ 「浮き沈みが激しいみたいじゃな・・」 爺さんは寂しそうな目で俺を見ながら囁いた。 「この時期だから仕方ないかも知れんがな・・人は減る一方だ・・成長した自分を見てくれる奴も・・競い合える奴も・・どんどん居なくなっちまう・・」 爺さんは俺の愚痴をしばらく黙って聞いてくれた・・誰にもどうしようもない・・止めようがない事だと判ってるから・・単なる愚痴でしかない言葉を聴いてくれてたんだろうと思う・・ 現状で旅の終わりを決める者が出たとしてもしょうがない・・俺自身・・この世界を去ると言うものと話すたびに心は揺らいだ・・ でも俺はまだ自分で決めたラスト地点を見ていない・・ 今にして思えば・・赤装備、ディバイン装備を纏った頃が一番充実していた。 それぞれのクラスが協力して強い敵と向かい合う、そして打ち倒す喜びを最も味わえた時期だった。 現実問題・・同Lv帯の6人フルPTでしのげなかったのはマルスオーラの最深部ぐらいだった。 青装備の頃、不利と知りつつあえてディバイン装備を脱いだ・・道は険しかったが憧れの黒装備へ到達したときは本当に嬉しかった・・ そして・・ 黒装備・・ 事実上黒装備以上は各クラス共ソロでの活動が多くなる・・いや・・多くならざるを得ない時期だと思う・・ 絶対的な防御力の向上。各クラス共特化した部分は極め切り、幾分かずつマルチにスキルを獲得し始める。 さらに上位の装備を獲得するための資金獲得、合成素材の獲得・・PTを組んでの殲滅力や経験値よりも優先されることが多くなるから・・ あえて俺はマ=ドゥラヴァスの最深部での狩りと言う馬鹿げた企画を他人に押し付け、閑散とした狩場でのPTによる集中的な経験値稼ぎに没頭してきた。 皆にあきれられながらも・・それはある程度定着したらしく最近は別のPTとも遭遇するようになってきた。マ=ドゥラヴァスの最深部でさえ・・ こうなってくるとそろそろ引き際なんだろう・・いよいよ孤独に戦う時期が来たのだな・・と知る・・ 離れ行く人々が増える状況での更なる孤独・・ 正直・・この先に進んで何か新しい発見があるとは思っていないさ・・ 青装備が黒装備へ・・その瞬間のような劇的な感動はもはや無いと思う。 だけどゴールはもうちょっと先だ・・せめてゴールを踏まなくては・・ たとえ誰も居なくなってしまっても一人ぐらい最期を見届ける人が居てもいいじゃないか・・ ただ・・ほんの少し寂しいだけだろう・・ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2004年01月25日 20時52分12秒
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