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カテゴリ:コミック的生活
少女時代を『りぼん』と『少女コミック』で過ごした私には 一条ゆかりは非常に強い影響をうけた作家の一人です。 特に『おとうと』という作品、衝撃的でした。 血のつながった実の弟を溺愛する姉。その彼に恋人が出来たことが許せず わなを仕掛けて、弟の手で彼女を死なせてしまうように仕組みます。 自らの手で恋人を死なせてしまった彼は記憶を失い、幼児に還ってしまう。 姉はその弟の面倒を見ながら歪んだ幸福感の中で過ごしますが やがて弟は記憶を取り戻し、姉が仕組んだことに気づいてしまう、そして・・・・ 救いのない狂気の愛の物語なのですが、絵の美しさのせいか、 不思議と透明感のある、フランス映画のような印象を受けます。 『デザイナー』、『砂の城』・・・・一条ゆかりの初期の作品は、登場人物がみんな 精神的に歪んでいて、すぐに発狂しちゃったり自殺したり・・・・ 暗いといえば暗いんですが、多感な思春期にはそれを、ロマンティックと 感じてしまったりするわけです。 『こいきなやつら』『有閑倶楽部』以降は少しおしゃれなコメディーが 多くなりましたが、私にとっての一条ゆかりはやっぱり『狂気の愛』作家ですね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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