南仏のある夕食で
この間の金曜日の夕方、南仏の田舎に住む夫妻にごちそうをいただいた。招待されたのはもう一組のカップルと独身女性。招待されたカップルのご主人は有機栽培のブドウ園でブドウの世話をしている。ブドウ園のオーナーが雇った人たちの仕事ぶりがあまりにも素人でひどかった、と話していた。オーナーは一週間分の報酬を与えたそうだが、仕事ぶりは三日分の仕事で、自分が後から続けて仕事をしようとしたら、あちこち剪定されておらず大変だった、と。そうなんだ、素人の仕事だといろいろ大変なんだ、あとが、と思ってきいていた。彼はチョコレートケーキを持参していて、ケーキをカットするのはやはり作った人よ、と言われて「作ったのは僕だから、僕はカットしない。 作った人間がカッとするといいことが起こらないんだ」「誰が言ったのよ」「おばあちゃん」これにみんなが思わず笑ってしまう。それから、話があちこちに流れ、気がついたら、さっきは縁起でもない、と言ってたその彼が黙々とケーキを切っているではないか。「だって誰も切らないからさ」ケーキはお店が開けるんじゃないかと思うくらいおいしかった。この人は以前にも一度顔をみていたのだが、名前を思い出せなくて、夫が「セバスチャン」じゃないか、と言ったので、私も「ああ、きっと、そうよ、そうそう、さすが」と夫を誉めまくっていたが、セバスチャンではなかった。互いの記憶力のすごさ?よ。ほかの招待客の独身女性は手製のレモンアイスクリームを持参。招待してくださった夫妻の料理も地元の野菜がたっぷりで豆類と青野菜、バジルの煮込みに自家製のオリーブオイルを入れて食す。そして、南仏の地元の山羊チーズ。有機栽培で村おこしをした南仏コレンスの有機栽培ワイン。自給自足の生活はもしかすると可能なのでは、と思ってしまう。南仏でそれに近い生活をする若夫婦がいる。la permaculture で検索すると出会うと思う。大自然には人の心を癒す何かがある。この夏の終わりにもっと花が欲しい、と車で30分飛ばして園芸センターに行ったが思ったより品種が少なくてがっかり。その後、敷地内のあちこちに勝手に自生したクロッカスが夢見るような淡いピンクと白の花を満開させた。水やりも全くしていない場所に、9月に入ってから空気がやや涼しくなったなと思った頃からいきなり、あちこちに咲き始めた。球根って土の中にもともとあったということになるのかな。土の中で増えたのか。思わず、自分の心を見られたか、と思うくらい。不思議だな。