栗を拾って作ったクリームの話し
2021年の秋、ノルマンディで拾った小さな栗を煮込んでクリームを作りましたが、今年もまた小さな栗をたくさん拾いました。拾ってみると大きな鍋の半分以上を占めるくらいの量になり、これを一個一個皮を剥くのか、とつい呆然と眺めるわけですが、考えてしまうと、後ずさりしたくなるほど億劫になる量でして、もう何も考えず、ひたすら黙々と一個一個皮を剥いていきました。ひねもすのたりではなく、ひねもす皮を剥く作業を半日以上かけて、我ながら食い意地は相変わらずだと感心しつつ。終わる頃には指がおかしくなっているくらいでして。ひねもすは一日中と言う意味なので、使い方が間違っていますが、あえて使ってみたかっただけです。これを一晩水に浸し、翌日水を変え、栗を煮込み、栗が柔らかくなったあたりで、鍋の水を少し捨て、その後、バナナ二本、デザート用の白砂糖、茶色の砂糖(粗糖)、ハチミツを入れてかき混ぜながら弱火で煮込み続けます。バナナは煮込むと甘さが倍増します。さらにアルコール度40度のカルヴァドスを贅沢に大きなスプーンに一杯加えます。コニャックもいい、と思います。グランマルニエもいけるはずです。あとはハンドミキサーで栗クリームの出来上がりです。大体5㎏ほどの栗クリームができました。ケーキ屋さんで食べるあのモンブランの栗クリームみたいになりましたが、内心、いや、ケーキ屋さんのモンブランより味わい豊かなものができてしまった、と自画自賛。今、一応、ジャム瓶に入れて毎日少しづつ食べています。思うに弱火で煮込むと光熱費が大変なので、豆炭を入れるあの火鉢が欲しい、と思う次第です。自分は火鉢がないので、電気を使いましたが、ほんとうは、暖炉があるのだから、薪をくべて暖炉の火で煮てもと思ったりもしましたが。あとは、きのこの季節でもあるのですが、ノルマンディで近くの草原にクルメルという食用キノコを見つけて食べたりもしていました。味覚の秋です。