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カテゴリ:France
これを書かずにおられましょうか。
うずうず。 旅行には、割と慣れている主人、いつも、 最後のギリギリで荷物を用意する。 今回も同じだった。 私なら、少なくとも1週間前には、フランス国外でなくとも、 あれこれと用意してしまうのに。 たぶん、本人は格好いいつもりだろう、と 内心冷ややかに思っている私。 今回は、彼の最後のぎりぎりでスピーディに!が 完璧に裏目にでた。 主人が仕事で外国旅行に出発するという前日の夜。 土曜日の夜でありました。 「パスポートが切れている。」とつぶやく声が。 さすがに私も耳を疑った。 「出発、明日の何時?」 「朝の10時。しかも、格安旅行券だから、チェンジ できないんだ。」 過去、一度だけ、知り合いが空港でパスポートを 忘れていたため、泣く泣く出発をキャンセルする はめになった話を聞いたことがあった。 現フランス外務省大臣でもと厚生省大臣、また 国境無き医師団の創設者の一人、クシュネー氏も かつて、パスポートなし、ヴィザなしで、 ボートピープルを助けに飛んだことがあったそうだ。 でも、それは、すべて、人事だった。 まさか、そんなことが主人に起こるとは。 この間はオランダに行ったけれど、EU共同体加盟国 だから、パスポートが必要なかった。 だから、本人もつい、パスポートの存在を忘れて いたのだろう。 絶望に満ちて、主人は知り合いに電話した。 「よう、元気?君さあ、明日の朝、東南アジアに 行く気ない?実はね、旅行券買って明日出発の 予定だったんだけど、パスポートが切れていてさあ。 もう、誰かにあげようか、と思ってさ。」 主人には悪いけれど、淡々と人事のように喋る 彼の気の抜けた声を聞きながら、私は涙目で笑いが 止まらなかった。 おまけに、電話を切ってから、主人が言うには、 「あいつ、車運転しながら引越しの真っ最中で、 それは無理だってさ。」 それから、パスポートを洗濯機に入れようとする。 え、ちょっと待って! 理由を聞いたら、有効期限が消せないか、だと。 それは、よした方が、と一応止める。 それから、しばらくして、そうだ、親父も 以前、パスポート紛失した事があったなあ、と お義父様に連絡。 え?この父にこの子あり? お義父様、息子の話を聞いて、開口一番、 お義母様に、電話の向うで、 「息子はお前に似たんだよ。」と言って、 お義母様が変なところでトバッチリを食っていた。 さすがに、主人も、 「パスポート、親父が失くしたのに。」 と後で笑っていた。お義父様のパスポート紛失事件 は、タイの国を出る時の話だったので、あまり 役に立つお話ではなかった。 「格安でチェンジできない、と言ってるのは 旅行代理店でしょう。」と私。 しばらく考え込んでから、主人は、直接 空港会社に連絡取ってみるわ、と言うので、 パリ市内の空港会社をインターネットで 探したが、そう、土曜日のしかも、すでに夜。 もちろん、日曜日は閉まっている。 と、いうわけで、それは、パスポート更新を 取り扱う警察も市役所も同じ。 で、とりあえず、日曜日の出発日の朝、できるだけ、 早朝に、空港のカウンターに空港会社の誰かが いてくれることを祈り、朝、5時起きで空港へ 向かった。なぜか、私も同行して巻き込まれることに。 空港には朝の7時についたが、空港会社の人が カウンターに現れたのは、9時過ぎだった。 とりあえず、主人は事情を説明し、出発を 水曜日に延長することができた。 ま、あたってみるもんですねえ。 そんなわけで、月曜日には、警察に行き、 パスポートの更新を緊急手配を依頼。 火曜日には、なんとか、パスポートを手に することができた。 そんなわけで、主人は出発できた。 めでたし。めでたし。 ちなみに、フランス語で 有効期限や賞味期限がきれている状態を périmé といいます。 川下 笑里歌さんのハープ演奏をご試聴ください♪ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
April 5, 2017 02:14:08 AM
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