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フランス語を学ぶ理由は何?
そんなものは実はない、と内心思う人のために書きます。 ずいぶん昔の話しですが、ふと思い出したのです。 もしかしたら、過去のブログでこの人のことをすでに書いている可能性もあります。 パリ市内に住んでいた時です。 たぶん、自分もそんなにまだフランス語を話せていない時期です。 どちらかと言うと、パリ市内にいても、カフェでわざわざ英語で会話する人たちの そばに何気なく座り、英語を懐かしんでいた時期だったと思います。 そんな時期に、知人の友人で最近パリに来たばかりだと言うオーストラリア人と 知り合いになりました。彼はパリに来たばかりで、フランス語は皆無話せない人でした。 本人は彫刻家を目指していましたが、パリに来たのは、長身のせいもあり、 ファッションモデルでお小遣い稼ぎをするためだったようです。 アートが好きなので、美術館に一緒に行ったりした記憶があります。 ちょっと天然気味で、ちょっとお堅い感じで、割と自然に友達になれました。 変な人で、あの女性が顔にはたくコンパクトパウダーを顔にはたいていました。 デートではないのですが、美術館に行くために迎えに行くと、 待たされる理由が、それだったり。逆でしょ、普通? 私は当時は化粧は嫌いでしていなかったので、余計驚きました。 前置きが長くなりましたが、そのオーストラリア人の青年が割と早くに フランス語で話し始めたのです。 彫刻家を目指していたので、彫刻に関する単語を紙に書いて壁に貼っていました。 画材の単語や、自分の身に必要そうな単語ばかりでした。 つまり、自分の言いたいことは何か、にまつわる単語や表現を中心に 覚えていったのです。文法は二の次だったでしょう。 たとえば「今、行かなくちゃ」Il faut que je parte. これなんかは文法的に「接続詞」subjonctif なるものが出てきて、 文法を最初から学ぶと、すぐには出てこない項目です。 動詞も活用変化します。 とりあえず、自分が人に何を伝えたいか、という表現を 少しづつ覚えていったことを優先させていました。 たぶん、文法から入っていないので、 「○○しなくてはいけない」Il faut que ~ に続く動詞の活用も 応用が利かず、まちがった動詞の活用をしてしまうリスクはありますが、 思うに、それもいつかは人に直されたり、自分で文法書を読むうちに 改善していくことはできると思います。 とりあえず、一か月ほどでフランス語難民から解放された感じでした。 フランス語の勉強をされる方には明確な目的を持つ人たちもいます。 菓子、料理の分野を目指す方たちは、目的がはっきりしているので、 優先して覚える単語も出しやすい。 問題は、フランス語を漠然と勉強しよう、と思う場合です。 どこから始めていいのかわからない、そんな時に、おまけに単語で愕然とします。 空 le ciel 雲 le nuage ドア la porte 窓 la fenêtre 顔 le visage あああ。幼稚園児に戻ってやり直さないといけないんだあ。 ドイツ人の多い語学学校で、周囲のドイツ人がいろんな単語を知っていたので、 何故と聞いたら、ドイツ語に似た単語が特に上級レベルの段階でたくさんある、 と知り、正直、不公平だ、とすら思えたものでした。 長い関越トンネルの前で気が遠くなっている感じでした。 でも、あのオーストラリア人の青年は、自分の興味を中心に単語を覚え、 表現を覚えていきました。 あなたの好きなことは何? 読書? DIY? 映画鑑賞? コンピューター? 編み物? 動物? ポエム? フランス語を学ぶ理由は何? そんなものは実はない、 けれど、自分は庭の奥に現れる野良猫が最近、気になる、と思えば、 それをフランス語で何て言うかな、と考えるだけでもいいのです。 暖炉に火をくべる時、枯れ葉を置いて、その上に小枝をたくさん置きます。 空気が湿っている時は、なかなか火がついてくれません。 勢いよく燃えた、と思っても、枯れ葉だけ燃えておしまい、ということもあります。 しかし、再度、枯れ葉を小枝の下に置いて燃やすと、 今度は少し、空気があったまったのか、わりとすぐに火はつきました。 (一回目はダメでも、二回目は少し前進) そこに夫がやってきて、いきなり、大きな薪を置いてしまい、 小枝が燃え尽きた頃、大きな薪までは火が届かず、火が消えてしまいました。 (火種を消してしまった。基礎編がゆるかったか。甘かった。 早すぎた。早計とはこのこと。いきなり消化しきれないものに挑戦しても無駄。 でも、ここで諦めたら、いつまでも暖をとれない) そこで大きな薪を取り出し、再び、枯れ葉を置き、たくさんの小枝を載せ、火をつけます。 空気はあったまったので、火はすぐにつきます。 (基礎をやり直し。三回目のやり直しはスタートが速い) 小枝が元気よく燃えた時点で、小さな薪を少しづつ足していきます。 大きな薪は最後に載せます。 学びも人生も暖炉の火と似たようなものかな、と思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
January 30, 2020 11:42:21 PM
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