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カテゴリ:France
フランスに来てから、長年、夫につきあい、中古車で長距離もたくさん走ってきたので、車はとにかく走ればいいのだ、と思うようになりました。細かい気配りがたくさんついていても発車しなかったら無意味、一部壊れたら、部品を変えて、それでいいじゃない、車は走ればいいんだから、と。
あきらめも大きい。 なにしろ、湿気は日本ほどないと言っても、酷暑の夏の熱風の中を冷房のきかない車で南仏から北西部に千キロを超えて走行する、ということがあった時は、ちょっと地獄。日本で乗っていた冷房完備車が恋しいばかり。 それでも車を変えようかと言わない夫にさすがにもうあきらめていました。 どうせ、夫は車には興味がないから、一生、修理をしながら中古車でいくんだろう、と。 が、最近、夫が新車をしかも電気自動車を買うか、といってきました。 思わず耳を疑いました。 私が言うならまだしも、あなたの口からまさかそのお言葉が出るとは。 フランスでは2022年12月末までに4万7千ユーロを超えない新車の電気自動車を購入した人には政府からの補助金として6千ユーロを渡すという。 これに便乗して購入した知人もいます。それなりに高いとは思うのですが。 夫は知人の話を聞いて便乗したいと思ったのか、で、私にも新車が欲しいと言ってたじゃないか、と言ってみたりします。そうとはっきり言った覚えはないが、確かに普段から車屋さんの前や路上駐車をしている車の前を通るたびに、新しそうな車の前で無意識にため息をつくようなことはあったかもしれません。 じっと車の前で眺めて立ち尽くしていたり、とか。 バカンスの時期に高速道路を走っていると、ルノーのZoeとかミニクーパーを見るとまるで美術品が走っているみたいと、と思ったり。昔のジャガーが格好いいのね、と思ったり。プリウス、環境意識高い人が乗っているんだろう、と思ったり。トゥインゴもヤリスもキアも可愛い形をしているのね。DSおしゃれだなあとか。 DS、あ、ディープスティトととれないこともないか。フランス語でデェエス、女神を意味する方で読んでいたので、今まで気がつかなかった。 日産リーフ、ミラ、トヨタ車、プリウス、ヤリス、アイゴー、本田、スズキ、三菱、マツダという日本車も結構走ってるんですね、フランス。もちろん、プジョーやシトロエンも走ってます。シトロエンは昔から安定性のある走行で定評があるそうです。あまりガタガタ揺れないみたい。あと、ドイツやルーマニアの車、韓国発の車もたくさん走っています。南仏にいた時はフェラーリも見ました。 ルノーは1980年初期かなあ、すでに喋る機能がついていて、ドアが半開きだと空いてますよ、と言う車を造っていたんですね。すごいなあ、と当時は思いました。それはでも、高級車の部類で、会社の経営者みたいな余裕のある人が乗るような車でした。一般市民は、パリ市内の話ですが、でこぼこですぐにエンコしてしまうような車が多く走り、当時は日本のほうが傷のないきれいな車に乗っているのになあ、とびっくりしたのを思い出します。たまに高級車っぽい屋根のないスポーツカーも走っていましたが。 さて電気自動車を推奨するフランス政府。 でも電気代、節約しろ、とか同じ政府が言ってなかったかなあ。ああ矛盾。 暖房費用にお金がかからないように二重窓を推奨する、とか。 フランス政府は2035年からガソリン車の販売を禁止する予定でいるとか。 これに対して、疑問を投げかけるフランス人がいてユーチューブでインタビューに答えているのを聞いて、話の内容が社会的背後にも環境問題にも及んでいて驚きました。 フランソワ・グザイヴィエ ピエトリ氏。 新しいものが出てくると、確かにフランスは批判的になる人もいて、これはあの、エッフェル塔建設でも反対運動が出たこともあったわけで、批判できる自由のある国であるということはいいことで、批判する人がなぜ批判するのか理由をちゃんと話しているというのもいいことで。 批判する人がいてくれるおかげで矛盾に気づくこともあり、薄々感じていることなどをはっきり言ってくれる人がいると、ああ、やっぱり、不安的中とか。 で、ピエトリ氏ですが、環境問題とか電気自動車に必要なコバルトを得るために働いているコンゴ共和国の子供たちの話とかもちらっとしています。で、そのコンゴのコバルトには背後に中国がいる、とかで、コバルトは中国資産。そこに頼ることになるわけで、中国がコバルトを値上げします、という可能性もあります。 電気自動車が普及すると、ガソリン車の整備士という仕事もなくなるなどの失業問題の社会現象にもつながる、とか。 ふと思ったのですが、昔、ノルマンディで整備士をしていた男性は、日本車はね、壊れないんでほぼ扱ったことはないんですよねえ、と笑顔で話していたのを思い出しました。 ああ、日本車、整備士の収入にはならなかったのね。 フランスにおける日本車への信頼度は高いものがあり、これをあのカルロス・ゴーン氏が社長をしていた時も多いに活用して宣伝文句に使っていたんですね。あと、フランス人で日産車ファンもいて、特にサニー愛好家がいたこともあります。サニーのバッテリーはもともと軍用車だったので頑丈なんだと。たぶん愛好家が大事に乗りつないできたのでしょう、南仏にいた時、数年前に傷一つない日産サニーを見かけたことがあります。 さて、また脱線してしまった。 ピエトリ氏は水素自動車はもっと環境にいいんじゃないか、と言ったような話もしています。 この水素自動車は日本の自動車会社で開発を進めるトヨタのような会社もあるので、将来性はあるのでしょうね。 明治天皇の玄孫と言われる竹田さんという方もユーチューブで、電気自動車においては遅れをとっている日本は世界が電気自動車になると経済的な打撃を受ける、とも話しておられて、そりゃ大変、と思ったり。 ただ日本は水素自動車においておそらくいい車を作っていきそうなので、これはメルセデスベンツのような会社も一部目指しているみたいで、将来的には政権が代われば、今度は水素自動車に向かう可能性はあるのでは、と思ったり。 基本的に政府が目指している方向が必ずしも万人の目指す方向と同じとは限らない、と特にこの2年間で思うようになりました。 自分は古いものを大事に修理しながら使っていくフランスが好きです。確かに古いものばかりに囲まれていると時代錯誤の罠にはまったような閉塞感をふっと感じることもないわけではないけれども。 そこに便利なものがあるのなら、何もわざわざ不便なことに時間をかけなくてよいのにとかです。 ただ、ほんとうはそんな考え方では逆に心が貧しくなることもあるのでは、と自問したり。 不便だな、と思いながら慣れないことに時間をかけて、ああ、これはこういう仕組みだったのか、とか新たな学びもあったり。 一度、今は廃車になったガソリン車のボンネットを支える部品が壊れて、あれはその部品がないと非常に重いものだった、ということがわかったり。夫はある日、その部品を交換して、再び普通に開いてくれるようになったのだけれど、それまでに結構日数がかかり、夫も無邪気に笑いながら、知っていたら、もっと早く交換していたのになあ、と。私も知らなかったので、能天気にそうねえ、と。 さて、電力はほとんど地震のないフランスはほぼ原子力発電に頼っていますが放射性廃棄物質の問題はやはりいまだにどうするのか解決策は現時点で世界のどこを見てもないみたいです。 そうは言っても、原発がフランスから消えると電気が使えなくなるということで、大変でしょう。 2022年のフランスでの新車発表会では中国から多くの電気自動車が参加していたそうです。 欧州の車より安い価格だったそうです。 すると、国の補助金で中国車を購入する人もたくさん出てくるんだろうか。 なんだろう。私的にはとりあえずハイブリッド車がいいんだけどなあ。 電気自動車に国から補助金が出るとはいえ、それなりに高いわけで。 今は電気より安いハイブリッド車にして、数年後に水素自動車がでれば、節約して、そちらに変えるとか。 でも、夫は最近とうとう電力で動く芝刈り機を購入して、これは便利と思ったのかもしれません。 またフランスはロシアからの石油も見込めなくなり、ガソリン代が値上げしていることに不安もあるのだと思います。 さて、ピエトリ氏は電気自動車の普及が促されると、電気代も高くつき、保険なども高く払うことになります、と話していたので、なんだかんだ言っても節約したい人は軽く国の補助金に食いつかない方がいいのかなあ、と思ったり。 補助金も国民の税金から出てるし。 2022年1月フランス人口67816396人。6千781万6396人。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
November 23, 2022 08:11:15 PM
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