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テーマ:映画館で観た映画(8566)
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突然、絶体絶命の危機に陥った時、人はどうするか。
周りの人にひたすら助けを求めるが、誰も相手にしてくれない。 こうした状況に追い込まれた時、現状を嘆き苦しみ、ひたすら耐える道を選ぶか、それとも自分の持てる能力の全てを引き出し、現状を打開する道を選ぶか。 飛行中の機内の狭い空間の中で突然消えた娘。 「わが社の調査によると、あなたの娘さんは、すでにお亡くなりになっていて、はじめからこの飛行機には乗っていなかったのです。」 これは、自己否定を促される言葉である。 しかし、自分の娘の生命に関わる問題である以上、絶対に機長のこの言葉を信じるわけにはいかない。 これは、周囲の人達から自己否定させられたカイル(ジュディ・フォスター)が、自分自身と自分の娘を何者かから、取り戻す為の戦いを描いた映画である。 「娘は確かに乗っていた。」 「娘は機内のどこかに必ずいる。」 自分自身の確証を信じ、たった一人で機内を探し回るカイル。 こうなると、全乗務員、全乗客、全て敵である。 たった一人で戦うには武器がいる。 はたして自分には武器があるのか。 自分は、この飛行機の構造を知り抜いている。 (実は、カイルはこの飛行機の設計者だった。自分が設計した飛行機に乗ったのは、偶然だった。) 自分には、本当の敵は誰なのかを見抜く力がある。 自分には、機内の何処へでも潜り込むことができる身体能力がある。 これらの武器と自分自身を信じる力さえあれば、必ず娘を探し出す事ができる。 この物語のヒロインには、やはり、ジョディ・フォスターが似合うし、ハッピー・エンドで終わるストーリーは、いかにもアメリカ映画的である。 今は安定した豊かな生活をしていても、それが永久に続くとは限らないから、常日頃、頭と体を鍛えておこう。 頼りになるのは、今の社会的地位や財産などではなく、どんな状況におかれようとも、しぶとく生き抜く為の自分自身の中にある力なのだ。 ジョディ・フォスターは、こうした思いを投影させるような演技をする。 彼女の動きをみていると、映画の内容に多少難があっても、最後には、良い気持ちになって映画を見終えることができるような気がしてくる。 その証として、良い気持ちになって映画館を出てきた花畑風来の姿が、そこにあったのである。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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