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人を助けられるのは、人だけである。
時として、天使が人と人とを結びつける。 その人の目が、天使の目に見えた瞬間、運命の出会いが始まる。 一人のショボクレタ男が街をうろついている。 目は虚ろである。 この男の名は、キャッチ(ジム・カヴィーゼル)。 自らの不注意で交通事故で妻と息子を亡くし、自分だけが生き残った悲惨な過去を持つ男。 心の葛藤に耐え切れなくなった無意識は、現実逃避へ向かわせ、脳裏から彼の過去を消し去った。 過去がなければ未来もない。 虚ろな目をして街を歩くだけの男の日常の始まりである。 女性警察官シャロン(ジェニファー・ロペス)。 警察官としての職務にはげみ、いつも明るく力強くふるまう彼女の表情の奥には、覆い隠された心の傷があった。 誰にも言えない、誰にも気づかれたくない心の傷。 仕事熱心、明るい性格、人に安心感を与えるような力強さ。 これらは心の葛藤からの逃避であった。 幼いころ、父親の暴力から母親を守るため、警察に助けを求めたシャロン。 以後、家族からの愛を失い、のけ者扱いされたシャロン。 自分が正しいと思ってしたことが、家族全員から拒絶されたのである。 こうしてシャロンは、疎外者となった。 「だめよ。がんばって。」 「目をあけて。」 「私といて。」 タッチが交通事故の現場で、しだいに薄れてゆく意識の中で聞いたこの囁きは、実は警察官シャロンの言葉だった。 シャロンは警察官として、この事故の処理にあたっていたのだ。 タッチにとって、シャロンの声と顔は天使の声と顔としてうつった。 事故から一年後、シャロンはギャングに殺されそうになるが、間一髪のところで、タッチに助けられる。 今度はシャロンが瞬間、タッチを天使と見たのである。 天使が役割を果たした証は、この二人のおもいに集約されている。 タッチ 「過去を直視して生きなければ、死んだ妻や娘は許してくれないし、シャロンとの未来もない。」 シャロン 「父親の少しでも良いところをみつけ、父親と面と向かわなければ、一生トラウマから逃れられないし、タッチとの未来もない。」 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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