都一中レクチャーコンサート
「伝統芸能に親しむ会」ということで、「一中節」の家元、都一中氏のレクチャーコンサートがあった。 9時半に四谷の紀尾井ホールということは、いつもよりも早い。しかも、きものを着ていくとなると、結構大変・・。でも、気合を入れて頑張りました。中央線はちょっと混んでいたけれど、一駅なのでしばしの我慢。そして四谷駅につくと、和服姿がちらほら・・。桜は、少し終わってしまったけれど、土手沿いの道をニューオオタニ方面に向かうと紀尾井ホール。ちゃんと間に合ってよかった。 さて、「一中節」というものは聴いたことがない。けれども、「長唄」をしばらくやっていた私には、とても心地よく、聴き入れた。「長唄」は、唄うものだが、「○○節」は、語るというそうだ。三味線は、家元、語りは息子さんの了中さん。なんと豪華版のことか・・。 家元一中さんのトークがまたよかった。邦楽は、聴いて心地よくなる旋律にできているので、ウトウトとまどろんで、その情景を浮かべ心地よい気に浸るのがいいそうだ。「長唄」なんて聴いてたいてい眠くなりますよ。でも、たしかに会場は暗くで、明るい舞台を見ていると頭が「ぼーっ」として、目が「とろ~ん」とよくなったものですが、それで良いというか、それがいい唄だったという事だそうで、良かった・・・。 西洋の音楽は、人に聞かせるための音楽だけど、元来邦楽は自分でやってみて楽しむ音楽だということもなるほどと思った。国立劇場でプロのお三味線にお囃子つけて、舞台に出たら15分で百万単位のお金がかかる。そんな「お遊び」ができるのが、邦楽。 また、日本の旋律がどう変化してきたかなど、とても面白いお話だった。そして、邦楽を聴くときの三つの大事な観点は、「音のない時の音を聴くこと」「間を楽しむこと」「呼吸・気を合わせること」 昔よく伯母に「間が悪い、間が悪い」と言われているお弟子さんがいたが、「間」ってほんとうに難しい。音の間、隣の人との間、楽器との間、そういうもの全ての「間」が良くないといけない。修行はたいへん・・・・・!!