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テーマ:水泳(1790)
カテゴリ:家族なお話
長男の水泳競技歴ももう2年になります。 「もうそろそろ辞めるか」と言っていた時期に先生から「育成に来い」と矢のような催促がありました。 あっしにそそのかされてちょっとお試しで行った訳ですが、そこで素敵な出会いがありました。 2つ年上の人格者のH君が優しく長男を迎え入れてくれました。 その後も長男はH君と仲良くなり、練習後も数十分おしゃべりして帰って来るようになります。 人格者のH君の周りには自然と友達が集まり練習後の時間を大勢でウダウダと過ごすのが日課となりました。 しかし一つだけ問題が、 H君は人格者で練習熱心で人より大分頑張るんですが、思ったようにタイムが伸びません。 実は長男が育成に入った時すでに2歳年下の長男の方が速かったりしました。 そして運命の日がやってきます。 H君以外の長男を含む数人が選手クラスに上がっていく事になりました。 それを聞いたH君は泣き顔で練習していたそうです、練習後もさっと家に帰ったらしく関係ないあっしら両親も心を痛めました。 しかし人格者のH君はその翌日には今まで通り優しく接してくれたそうです。 H君に会うために練習に行っていた長男も目的が失われ嫌々練習に行く日々が続きました。 その後もH君は先生に「何時選手に上がれる?」って聞いたり「どうやったら上がれる?」って聞いたり色々とアピールしていたようです。 H君は本当に練習熱心です。 育成は週3日練習に来なければいけないのですがうちの長男はきっちり3日、H君はプールが開いている限り毎日練習に来ます。 そして中学に入ってからは水泳部に入り背泳ぎに転向し真っ黒になって部の練習、スイミングの練習と毎日2部練をこなします。 ある時先生から「疲れているようだから少し練習を休め」と言われたそうです。 そしてこの春くらいに「長男が50m平泳ぎで40秒を切ったら枠が空いて上がれるかもしれない」と言うホントかどうか分からないかなりガセネタっぽい話を聞いてきました。 他のみんなもH君を応援しているのでそんな希望的な噂がでっち上げられたのかもしれません。 それを聞いた長男は燃えます。 記録会で炎のような泳ぎを見せベストを1秒以上更新して39秒5、今まで一所懸命やってなかったのかと思うほどです。 この記録が効いたかどうか分かりませんがH君は基準タイムに達していないのに特例で選手に上がりました。 他にも選手に上がるチャンスを伺っている子はいっぱいいるのに、基準に達していないH君が上がる事に文句を言う子はいません。 スピードは遅いけど圧倒的な練習量で体力には問題はありません。 選手コースに入った当時練習についていく事が出来なかった長男に比べ、H君は最初から余裕でこなします。 H君が選手クラスに上がってルンルンの長男の練習を見に行って見ました。 子犬がじゃれ合うように一緒に練習していましたわ。 そして次の記録会で、選手として初めて出るH君の隣のコースは一緒に選手に上がった専門はクロールのN君です。 N君は矢野の方から毎日自転車で40分もかけて通ってくる苦労人です。 夏休みの2部練では2往復します。 歩いて3分なのに休みがちなうちの子とはえらい違いです。 N君もまた人格者です、しかも速い。 多分本気で泳いだら専門外の背泳ぎでも専門のH君より速いでしょう。 「ここで年下で専門外の自分が勝ってしまったらH君の立場が無くなる」 幼いながらに考えたのでしょう。 わざとH君より少し遅れて泳いで負けてあげたのです。 競技者としては間違った行為かもしれません、しかしあっしは少年の優しい心に感動しました。 その場限りの短絡的な優しさですが、幼い少年が精一杯考えてした事です。 あっしならフルパワーで泳いで「専門の人に勝ったでよ~」と思った事でしょう。 こんな素敵な少年達に長男が出会えた事を神に感謝します。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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