敬老の日
晩年父にあえて敬老の日のプレゼントをしていませんでした。私なりの父に対する思いがあったからです。最後まで一人暮らしを貫いた父は母の死後1年と3ヶ月で突然逝ってしまったのはこの春のことです。母を私が預かって5年。父は片腕をもぎ取られた思いで介護を私に頼みました。もう少し若かったら自分で面倒を看たいとくちびるを噛んでいった時から私と両親の係わり合いがはじまりました。母の介護だけでも私は精一杯の時、月1度の父の来訪。人生設計なんて誰でも予測なんてつかない。大概父親が先に逝って母親と娘は結構楽しいひと時を過ごすのが通例だが男親が残されたケースはなんとも残酷物語です。母を介護しながら父のボヤキを聞き、世話をして私は自分の家族を守りつつ、いつしか父が最後まで生活スタイルを変えなかったことに腹を立てていました。「子供に迷惑を掛けないよ」と言うCMがあったけれども何らかの形で看なくてはならないのです。もう少し子供がやり易いように近付いて欲しかった。多分自分がもっと年を取ってからでないと父のこころの中を知る事は出来ないでしょう。