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またまた「ユニクロ」(ファーストリテイリング)さんの話題ですみません(でも、反響大きいですので)。
銀座ー外苑前と移動する途中、銀座店をやっと見て参りました。 もう、何人もの方が同店についてはブログに書いておられるし、この間から私のブログのエントリを巡るやり取りの中でも銀座店の話も出てきたから、あまり皆さんが指摘しておられないことだけ書くことにする。 まずは、都心の一等地に出店する、という戦略について。これは私が考えた理論ではなく、うちの会社もお世話になっている服飾評論家の伊藤紫朗先生の持論なのだが、スウェーデンの「H&M」は、都心の一等地を狙って大面積の売り場を構える戦略なのだそうだ。高感度なイメージを世間にアピールしつつ、実際には都心では他にあり得ないショックプライス=低価格を武器に、大量のお客様を集客して高い売り上げをマークする、という戦略で世界の主要都市に出店し、成果を修めている、ということをおっしゃっておられる。 私自身、ミラノのモンテナポレオーネ通りの出口にある「H&M」には何度も行っているが、やはり朝の開店と同時にどっとお客様が押し寄せ黒山の人だかりだ。 それと同じ戦略で、これは間違いなくそれなりには奏功するのでは、と予想していた。小売業は立地産業、しかも、イメージの良い立地でブランドイメージを上げ、アッパーな客層からロワーな客層、老若男女を問わず全方位で集客するという方法である。 今日行ってみて、平日なのにやはりかなりのお客様が入っていたから、これは、予想通りになりそうだ、という気がした。本来の銀座界隈を回遊している富裕層、子育て中の専業主婦、リタイアしたご主人と奥様のカップル、学校帰りの高校生、地方からのおのぼりさんetc., やはり、「ユニクロ」さんの知名度と人気は抜群、なんですよ。 プラス、予想していた以上に、外国人、特にアジアからの観光客の方が多いね。かなり買い上げ率も高そうだ。前々から、銀座の百貨店でもアジアの観光客をかなり見るようになっていたが、如何せん日本の商品は高い、というのがある。「ユニクロ」さんの価格ならば、お土産に何点か買い求めるのには丁度良いので、今後、一つの観光名所になってくるかもしれない。 約450坪と、大型の旗艦店だが、5フロア構成で、うち1~3階がレディス、4階がメンズとキッズ、5階がメンズだ。 入って直ぐ、1階フロント部分に銀座店用のレディスの特別商品、いわゆるファッショントレンドを意識したらしき商品を見る。正直、うーん、こりゃ・・・という感じだ。へんてこりんなレースのついたプルオーバーなど、一体何歳の、どういうお客様を想定しておられるのか、と思いつつ奥へ・・・。 この間書いた通り、少品種大量、カラー展開の豊富さを見せ付ける什器構成は相変わらずで、コーディネート提案は各フロアのエントランス部分にあるのみ。「ユニクロ」さんは、基本的に、やはりコーディネートよりも重点商品の打ち出し中心のVMDですね。 打ち出しておられる商品は、カシミアのニットやら、ダウンのベストやら、フリースやら、デニムやら・・・。売り場面積に対して、非常に少ないアイテム数だ。確かに、「これを売りたい」という店側の意図は伝わってくるし、迫力はある。 ただ、皆さんやっぱり、フリースには手を出しておられませんね。わが家の近隣の店舗と同じである。だって、この間買ったユニクロさんのフリース、まだそんなに着ていないのに、もったいないから捨てられないし、タンスの中に入れたまま、という方は、日本中にかなりいらっしゃるんじゃないだろうか。たぶん、ユニクロさんのメインターゲットの方々は、そんなに服を粗末にしない、堅実志向の方々ですよ。さくら的には、10年くらいはフリースは出さなくてもいいんじゃないの、と思うくらいですよ。 しかし、これだけの大面積に対し、いくら何でも、アイテム数がやはり決定的に不足しているように思う。アメカジ、というテイストでいくにしても、トップス、インナー、ボトムスのうち、トップスのバリエーションが足りないのだ。根本的に、中軽衣料中心の発想なんだろうが、ちょっと無理があるのではないか。 例えば、メンズのジャケット一つをとっても、カジュアル系のテーラードジャケットでコットンツイル、ダウンジャケット、ナイロンブルゾン等の他にも、テーラードでもウールのツイードとか、スタジャンとか、レザーのテーラードジャケット、レザーのライダースジャケット、Gジャンなど、アメカジの定番と言えるデザインのものだけでも様々なアイテムが考えられるはず。コートも含めればもっとあるだろう。 それから、トレンド商品の中では、ベーシックな米の飯になりそうなアイテムの在庫が品薄なのではないか、と、ちょっと思える節があった(今日1回しか見ていないので、すぐ補充されているかもしれないのだが)。 それは、レディスの幾つかの色のベロアのテーラードジャケットだ。他のお店だと高いから、ユニクロで買いたい、という需要は当然出てくると思われる必須商品である。もし、ここをはずしているようだと、ちょっと痛いですね。 もう1つ、あるコーナーに人だかりが出来ていた。それは、レディスの多サイズ・多レングス展開のベーシックなパンツのコーナーである。ちょっと記憶違いがあるかもしれないが、確かウエストサイズが61、64、67、70、73センチ、レングスは74、76、78、80、82、84センチと、かなり幅広いサイズをカバーするようになっている。 これまた、明日の朝には補充されているのかもしれないが、ウエスト64センチレングス76センチなど、普通サイズと思しき辺りの商品が相当に品薄になっている。それから、背が高く足長なお客様用の部分の一部もちょっと品薄気味だ。 メンズの方も同様なコーナーが設けられていたが、平日のせいか込み具合はそうでもないようだった。 やはり、お客様のサイズ展開への要望は根強いものがあるのだろうな、と、改めて売り場を見て感じた次第である。 前々から思っていたのだが、「ユニクロプラス」という店名は、大坪の店舗向けではなくて、ユニクロさんのイレギュラーサイズ向けのショップ名もしくはコーナー名に変更されたらどうなんでしょうね。 最後に、接客だが、これは前言撤回、銀座店さんについては、非常に良かったです。雨が降っていたので、店頭で傘袋を渡したり床を拭いておられる方、年配のお客様にとても親切にご対応なさっておられる方、皆さん、プロ意識を持って頑張っておられるように思う。 ちょっと思ったのだが、今日みたいな日は、せっかくコマ付きの什器で傘を売っておられるのだから、百貨店さんみたいに傘を1階のエントランスに下ろしてきて売って下さるとなお良いのでは、と思うのだが、店内の基本レイアウトに反するので無理でしょうか・・・。きっと、飛ぶように売れると思うのですが・・・。是非是非ご検討下さいませ。 PS.皆様にも既にお馴染みの、takaさんが、ブログ「ファッション流通ブログde業界関心事」で、ファーストリテイリングさんがダイエーさんの店内に「ユニクロ」より低価格の業態を出店される、というニュースを分析しておられます。 takaさんのご意見に、さくらも同感ですね。今の「ユニクロ」の商品企画の方法をベースに開発できる低価格ブランドは、同社にとっては「ZARA」や「H&M」型のショップよりははるかに開発しやすいし、ダイエーさんなどの量販店さんも喜ぶ、ユニクロさんのファン層も喜ぶ、で、うまく行けば皆がハッピーになる業態ですよ。 但し、ポイントは、takaさんがご指摘の通り、果たして今の「ユニクロ」とどう差別化を図るか、ということだろうね。 しかし・・・ダイエーさんの「PAS」のことは、私はすっかり忘れていました(笑)。さすが、takaさんです。 人気blogランキングへ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2005年10月26日 22時17分54秒
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