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日本繊維新聞他、今日付けの繊維ファッション関連の業界紙が一斉に報じていたが、次回のJIAM(国際アパレルマシンショー)のシンガポール開催が決定した。
ついに来るべき時が来たか、という感じだ。前職の業界紙記者時代は、生産が専門分野だったこともあり、OTEMAS(大阪国際繊維機械ショー)時代から同展を定点観測してきた身にとっては非常に寂しく感じられるが、むしろ、ビジネスのことを考えると、日本国内の他の見本市よりも迅速な決断を褒めてしかるべきかもしれない。 但し、日本国内の縫製工場などの製造メーカー、アパレルの生産担当者、パターンナーさんなどにとっては、貴重な情報収集の場が1つ失われることになる。今後は、関東以北の場合は、JC(ジャパン・クリエーション)と同時期に開催されるようになったFISMAが、代替のポジションを担うことになってくるだろう。 私自身も、自腹で、しかも業務に支障を来さない様に年間何度も海外に出るのは困難な情勢だが、JIAM初の海外開催となる2008年5月には、その年の中国行きは取りやめてシンガポールに赴きたいと思っております。 さて、本日のもう1つのお題は、今日明日とラフォーレミュージアム六本木で開かれているニットのヤーン展、イタリアン・ヤーン・ランデブーである。 既にこのブログでも少しだけ、7月に開かれたピッティ・フィラッティの話もご紹介済みだし、上海のスピン・エキスポもとっくの昔に終わっているから、今更、という感じもしないではないが、ちょっとだけおさらいを。 2006~2007年秋冬シーズン向けにピッティ・フィラッティが打ち出したテーマは、「ニットアート。絵画から糸へ」(前、このブログでは「アートとアーティスト」とご紹介したが、今日の日本語訳は前述のようになっていた)。 これは、単なる模倣や、特定の絵画からインスピレーションを受けるのではなく、様々な時代、様々なアーティストの言わんとするところを深い次元で咀嚼、解釈し、ニットという表現方法にリ・デザインしていこう、という、極めて志の高い、そして難易度も高いコンセプトであるようだ。 会場には、ゴッホにユトリロ、ピカソにモンドリアンにポロックやらバスキアやら、それこそ著名な画家の絵画のイメージを編み込み、マネキンに着せたディスプレイが。正直、バラバラでまとまりがない、混沌とした印象も受けたが、その猥雑なエネルギーこそが、新しい時代の空気なのかもしれない。 色も、各社のブースで目立ったのは、暖色系の赤とオレンジのバリエーション。こういう色使いそのものも、エネルギッシュですよね。 2006年春夏はエレガンス志向のシーズンで、その傾向が2006~2007年秋冬も継続すればニットよりは布帛、ということになるのかもしれないが、前述のアーティスト達の名前から想起されるようなアバンギャルド、デザイン、色使いの面での革新的な表現を志向するとすれば、ニットの出番も増えるはずだ。そういう願いを込めて打ち出されたテーマだと見るべきではなかろうか。 ヨーロッパやNY、そして東京のコレクションで3~4か月後にどのようなニットウェアが出てくるか、非常に楽しみである。 出展各社の商品内容についてだが、ピッティに行った方々が「今一つ面白みに欠ける提案だった」とおっしゃられていたのが、ちょっとわかるような気がした。イタリアの繊維業界は非常に不景気なので、あまり積極的な商品開発が行われていないようだ。 目立ったのは、ポリアミド混。ウール95%、ポリアミド5%とか、綿とビスコースレーヨンとポリアミドの混紡とか、かなり多くのヤーンに5%くらいは入っている。 あるブースで、イタリア人の方に、「ポリアミドはウールの使用量を減らすために入れているのですか?」と英語で聞いたら、「何とんでもないことを言っているんだい。ポリアミドは、素材同士の結合を良くするために配合しているんだよ。それと、素材が軽くなるからね」と、怒られました(笑)。 まあ、実際のところ、カシミアの原毛の値段が上がっている、ということもあるので、いろいろな事情もあると思うのだが・・・。とにかく、市場ではハイゲージで軽いものが益々好まれるようになってきている、というのは事実だろう。 最近は秋物の立ち上がり時期がまだ暑いため、色は秋らしい色にして、横編みのニットも綿で展開することも多い。どんな素材、色の商品を、いつのタイミングで展開するのか。ニットはリードタイムが比較的長い商品だけに、アパレルさんは戦略の組み立てを慎重に行う必要があるだろう。 人気blogランキングへ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2005年11月02日 01時30分23秒
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