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2006年02月06日
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カテゴリ:海外レポート
昨日の「マッシモ・デューティ」に関するエントリ中、商品の価格が抜けていた部分がございましたので、付け加えて置きました。麻のワンピースの元値が160スイスフラン(14,720円)、M65タイプのミリタリー調ジャケットが200スイスフラン(18,400円)。「ZARA」より高いとは言え、やはり日本の百貨店ブランドに比べると感性の割には価格は安めです。



さて、さくらのヨーロッパ・レポート第2弾。お待たせ致しました。イタリアのヤーン展「ピッティ・フィラッティ(Pitti Filati)」の2007年春夏展の概要です。

カメラが行方不明の荷物と一緒にどこかへ行ってしまい、ショックの余り倒れこみそいうだったのだが、日本に帰って主催者であるPitti Immagineのサイトに、何とビデオ映像がアップされていることに気付いたのだ(^^)

少なくとも、1年前にはこんなサービスはやっていなかったはずだが、iPod Videoの時代に素早く対応したのであろう。ちょっとBGMのセンスがいただけないのだが、会場内の様子はかなりよくわかるので、ご関心のある方は是非ご覧下さい。

ちなみに、ピッティ・フィラッティ以外にも、1月に開かれたメンズ展の「ウォモ」や子供服展の「ビンボ」のVideoもアップされている。

日本の合同展も、国際的な展示会と銘打つクラスのものはこれくらいのことには素早く対応しなければならない時代になってきたなぁ、と、非常に強く感じさせられましたね。IT化が決して進んでいないイタリアですら、これだけ必死に取り組んでいるのだから、と、いう気がする。

前段の話はさておき、展示会場に行ってみて一番ショックだったのは、昨年同期より1フロアスペースが減少していたことだ。

昨年のパンフレットが手元にないのでわからないのだが、恐らく出展者数も減少しているのだろう。まあ、元々ヤーン展は春夏より秋冬の方が主力なのだが、前々からイタリア在住の方などから伺っていた、中国との競合による産地の危機が、一層深刻化してきていることの表れではないかと思った。

プレスリリースによると、2005年のイタリアの毛糸(ウール糸)業界は、生産額が26億6,300ユーロ(前年比4。1%減)。2001年の生産額は36億5,100ユーロだったから、9億8,800ユーロも減少していることになる。

後述するように、同国のヤーンメーカーは、付加価値の高いヤーンの生産に務めたり、中国に販売の拠点や、あるいは生産の拠点を設けるなどして世界の繊維強国・中国との共生を図る道を探っているが、これ以上数字が落ちると、日本同様、自国内のマザープラント(母工場)なくして商品開発力やブランド力を維持できるのか、という瀬戸際に追い込まれてくるのではないだろうか。

高い交通費と時間をかけ、日本からわざわざ出向いて少ない社数の展示会しか見ることが出来ないのならば、プルミエール・ヴィジョンと一緒になったエクスポ・フィルか、もしくは逆に年々盛況になっていると聞く、3月の上海のスピン・エキスポ、こちらに鞍替えしようかと、私自身も真剣に考えてしまうような状況だった。

しかし、個々の出展企業のブースの問題は別として、先進国のヤーン展ならではのトレンドコーナー、こちらはやはり充実しておりそれなりの見ごたえがありましたね。

今シーズンは、「Casa Maglia(ニットの家)」というテーマが打ち出されていた。Videoを見て頂ければおわかり頂けるように、エスキモーの家、モンゴルの「パオ」のような家、キャンプ場のテント、わらの家、アンディ・ウォーホールの「キャンベル・スープ」を寄せ集めて作ったかのような空き缶だらけの車の家、等々、ニットで編まれた様々な家が林立していた。

これは、インテリアとか、ライフスタイルビジネスの分野に世界的に人々の関心が集まってきていることを示唆する展示で、なかなか良かったのではないかと思った。但し、このコンセプトが、個々のブースの中で具体的な提案にはほとんどなっておらず、皆相変わらず衣料品用途の提案に終始していたのが残念であるが・・・。

テーマカラーについては、かなり今春夏に近い感じであった。白~ベージュのナチュラル系カラーのグループのボリュームが一番大きい。

プラス、空色に近い青からネイビーブルーまで、マリンカラー、青のグループも目立っていた。出展企業のブースでも、マリンをテーマにしているところが複数あった。これも夏の定番と言えば定番だが、今春夏にはない要素なので注目しておきたいところだろう。

昨年と比べて、光る糸の割合はぐっと減ったな、という感じである。トレンドコーナーでは、ブークレーなどでこぼこ感がはっきりした派手なタイプの意匠糸も少ないように思った。節のある糸でもその節の大きさは小さく控えめで、あくまでも自然体である。

春夏だから、ということもあろうが、紡毛の太い糸は少なく、ミドルゲージからハイゲージの天然繊維が中心。綿、それに、麻のウエイトもかなり高い。それから、シルクカシミア、シルクコットンなど、肌触りが滑らかで非常に気持ちよい糸の数々。

編み地やプリント加工についてはアイデアが出尽くしている感が否めないが、薄手のダブルニットを置いてあるブースがあった。

また、実用向きではないのかもしれないが、トレンドコーナーに、タイヤの上にラバーを編みこんだ糸やコーディング加工を施した糸を巻きつけたものがあった。Videoにも映っているので(糸はオレンジ色です)是非ご覧頂きたいが、珍しい表面感なのでかなり多くの人が写真に写していましたね。

以上、今日はトレンドについて書いてきたが、今年の場合、昨秋から始まったテキスタイル見本市「ミラノ・ウニカ」が早くも来週の14日~17日に迫っている。パリのテキスタイル見本市「プルミエール・ヴィジョン」も、その次の週の21日~24日には開催される。それらの展示会のトレンド・カラーも既に発表されているので、ヤーン展と素材展の間隔が開いていた昔のように、業界全体に対するヤーン展の早期トレンドとしての意味合いは、最早ほとんどなくなってしまった、と言わざるを得ないだろう。

ビジターとして主催者に望むことは、カラーだけでなく、ニットならではの編地や後加工のトレンドを、もっと意識的に打ち出して欲しいなあ、ということである。

まあ、2次製品のサンプルまで出して欲しい、とは言うつもりはありませんが、少なくとも帽子やマフラーなど小物の制作まで含めて、展示会を見た人に前シーズンとのシルエットやスタイリングの差別化が閃くだけの材料が揃わない展示会ならば、量産用の商談を決まったヤーンメーカーさんとだけしてハイ、サヨナラ、となるか、もっと言うとそういう商談も日本か上海で十分、となってしまうのではないだろうか。

長くなってきたので、続きは明日書きます。

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最終更新日  2006年02月08日 00時42分57秒
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