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2006年02月14日
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カテゴリ:読書日記
今、自宅に帰ってこのブログの訪問者数を見たら、何と2078!過去最高、ケタはずれに多いです。

テーマが時宜を得ていたのと、R30さんがご自身のブログの中でご紹介下さったお陰だと思うが、皆様、本当に有難うございます。

続きがうまく書けるかな、と、ちょっとプレッシャーですが(^^;;;、昨日の続編、行きますね。



梅田望夫著『ウェブ進化論ー本当の大変化はこれから始まる』を読んで、第2に印象に残ったこと、それは、梅田氏が、「ブログは知的生産の道具」と言っておられた点である。

これは、まさに私自身もこのブログを始めた当初の動機とは変わって(きっかけは、ネット黎明期から積極的な情報発信を行っておられる地元・墨田の久米繊維工業(株)代表取締役社長・久米信行氏のブログ等を読み、非常に面白く、しかも簡単に始められそうなので、「書くことは好きだし、とりあえずやってみるか」くらいの軽い気持ちだった)、途中から自然と、「自分にとって重要だと感じられたことについて調べ、その内容と、それに対する現時点での自分の意見を記述する」ことに重点を置くようになってきたので、おっしゃられることは非常によくわかる。

例えば、私のブログ仲間である北海道のITコーディネータ・春日一秀さんも、「自分用のメモです」という書き出しで書いておられたりするので、専門的な職種にあって、それについて書いておられる方の間ではかなり共通する感覚なのではないかという気がする。

私の場合、気になったニュースに関連するサイトなどを調べる時間40分、5分でエントリの骨子を考え、15分でさっと書く、くらいの時間配分でやっている。元業界紙の記者だったので、残業等で時間がない時はないなりに早く書く術は知っているし、日中に、「今日はコレで行くか」という感じでエントリの頭出しが自然と浮かぶこともある。

たぶん、意識して訓練されれば、エディター、ライターではない方でもこのようなことは出来るようになると思うのだが・・・。

しかし、書くということについての技術は以前からそれなりに習得しているつもりだったが、それ以上に、1日40分、それも毎日、自分の専門領域について調べていることで、正直言ってものすごい量の知識が自分の中に、そして、このウェブ上に蓄積されていくのを感じている。本当に、梅田氏がおっしゃっておられる通りなんですよ!

いい年をしてお恥ずかしいのだが、何だかまだ自分がどんどんどんどん成長していくのを実感できる。子供の頃、身長が伸びると節がキュッと痛んだような、そんな感じに似ていたりして(笑)。

面白いのは、久米繊維工業(株)の久米社長も、新著『ブログ道』の中で、「(ブログを)自分のために書く」という趣旨のことをおっしゃっておられることである。

だが、久米社長の場合、ブログを読ませて頂いても感じるのだが、仕事で役立ちそうな情報をメモする、というような実利的なスタンスではないように思う。自分の心の内面を見つめる、深く内観しておられるように感じるのだ。

他の経営者の方のブログを読んでも、PR中心の内容の中に、やはり非常に鋭い経営哲学、人生哲学のようなものが滲み出ているのを感じることがあって、本当はここまで達することが出来れば素晴らしいのになあ、と思ったりもする。

経営者ブログでなくとも、一般の方のブログにも、そういう煌きや、魂の叫びの重みを感じることはしばしばあるのだ。人それぞれ、ブログの理想形も十人十色なのだろう。

この他、サラリーマンの場合は、ブログを書いていれば転職の際などの自己アピールに繋がる、という趣旨のことも梅田氏は書かれていたが、ブログは今やセルフブランディングの重要なツールの一つになっていることも間違いないだろう。

第3は、ここまで書いてきたことにも関連するのだが・・・。

梅田氏は、「脱エスタブリッュメント」を主張し、実際にそのように行動なさっておられる言行一致の素晴らしい方なのだが、初めから二流、庶民の世界にいる私のような人間から見ると、やはり選ばれた優れた人が取るべき進路についての指針しか示しておられないように思う。

日本のIT業界、既存の大手電機メーカー等が、Googleのような大きな世界観を持ち、革新的なビジネスモデルの構築を目指さず、インターフェイスの開発ばかりに力を注いでいると指摘し、シリコンバレーに優秀な若者を1万人移住させようと目論む・・・確かに的を射ており、素晴らしいことなのだが・・・。

そのようなヤマの頂点を高くするための努力だけでは、多くの日本人は幸せにはなれない、と見るべきなのではないか。これから人口が漸減していく日本の社会の中で、日本が国全体としての国際競争力を保つためには、例えばERP、ICタグ、情報家電、ケータイ等々のIT周辺の業界に始まって、自動車や工作機械、食品、果ては我らが繊維ファッション業界に至るまで、ありとあらゆる分野のレベルが、全て国際的に一定水準以上にあることが非常に重要だと思うのだ。

コストが高いが故に苦戦を強いられているわが繊維業界ですら、海外の同業者から、「日本の会社程納期をきちっと守るところはない」と賞賛されている。

いわゆる、国民の圧倒的多数を占める「二流」の人達が一生懸命、楽しく働いていること、それがこれまでの日本を支えてきた。一部の天才秀才には依存しない、根っこがしっかりしている社会。それがなくなった途端に、日本という国は、一気に日没へと向かうのではないか?

もう一つ、言葉尻を捉えるようだが、ブログの項でも、梅田氏は、「玉石混合問題」という表現で、大半のブログが取るに足らない情報しか発信していない、と切って捨てておられる。

しかし、人間は「情報」だけを必要としているのではないのだ。無名の隣人の面白いエントリに笑い、悲しみに共に泣く。ブログというものがこんなに普及したのは、見知らぬ誰かとのコミュニケーションを誰もが簡単に取れる、そこに大きな魅力を感じたからではなかろうか。

人は、「発信」することだけでは満足できないのだ。誰かに反応してもらいたい、自分の声を聞いてもらい、それに対する答えを返してもらいたいのである。

消費財を扱う業界にとって、こういう無数の民の声の集積、というのは、貴重な資料だ。実は私もここ3シーズンくらい、バーゲンの立ち上がりの日に数多くのブログを斜め読みすることである程度の売り上げ予測をしているのだが、かなりの程度読める(ちなみに今年の1月は、非常に良く売れたのだな、というのがありありとわかりましたよ)。

大手アパレルさんは既に始めておられるだろうと思うが、RSSリーダーとテキストマイニングを組み合わせることで、そのような情報を分析することも可能だ。以前、日経MJに、オンワード樫山の女性のMDの方が、担当ブランドのターゲット年齢の女性達の書いたブログを読んで彼女達の興味関心、喜怒哀楽に敏感であるよう努力しておられる、という記事が掲載されていたこともある。

今日、R30さんも書いて下さっていたが、左脳系の情報だけが情報とは限らない。これからは、感性というあいまいな領域でネットをうまく活用できたもの、言い換えると、無数の石を玉に変えることが出来た人達が大きなチャンスを掴んでいくのかもしれない。間違いなく、わが繊維ファッション業界にもチャンスアリ、ですよ(笑)。

長々と書いてきたが、この本からはしかし、私自身はは非常に爽やかな読後感を感じることが出来た。それはひょっとしたら、私自身が既に「元記者」になっているからかもしれないけれど(笑)。

大衆の叡智を信じる楽天主義、そして、「脱エスタブリッシュ」の信念に基づき、若い人達を応援することで後半生を生きようと決意、近藤社長率いる「はてな」の非常勤取締役に就任された、という結末に、近藤社長の年齢よりは1960年生まれの梅田氏の年齢に近い1964年生まれの私は大いに共感を覚えた。

同書の中に、「ウェブの世界に次の大変革を起こすのは1991年生まれではないか」という大胆な予想もあったが、残念ながら自分自身の年齢と感性では最早その流れの最前線に身を投じることは無理であろう。その世代が登場する頃自分は、「元ジャーナリスト」と名乗れるレベルを保てるのか、それすら自信がない。世の中の流れに、全くついていけなくなっているかもしれない。

しかし、私は私なりに、エリートではない「二流」の仲間達と共に、ささやかな幸せのために努力していきたいと思っている。自分の目の前に存在する、小さな小さなファッション業界の若手を精一杯応援したいーーそういう思いだけは、梅田氏の思いに通じるのではないか、そんな風に思ったのだ。

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最終更新日  2006年02月15日 03時02分04秒
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