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ずいぶん前から楽しみにしてきた東京バレエ団の公演を見てきた。
首藤康之さん、すばらしかったですよ。ブラボーの声も飛び交っていましたが、私も久々に鳥肌が立っちゃいました。 今日の公演の見所の一つは、20世紀初頭のバレエ界の巨匠、ディアギレフ時代の演出、振り付けを再現しているところにあるらしい。特に、最後の演目・ペトルーシュカの舞台背景や衣装などは、バレエ・リュスの時代を彷彿とさせるものだった。自由と抑圧、奔放な美への情念と理性、政治的解放と次の危機への予兆。 3つの演目の中ではやはりペトルーシュカがストーリーそのものは圧巻だった。約70人による群衆劇は古典バレエの固定観念を打ち破るものである。首藤氏演じるペトルーシュカはいわゆるクラウン=道化師だが、時代や権力に翻弄される哀れな民衆の姿にも見える。 それにしても、首藤氏の身体能力の高さは際立っていた。最初の演目、牧神の午後の牧神役で、小首をかしげて両手を小さく曲げながら刷り足でピョンピョンと歩く場面とか、ニンフが忘れていったストールを手に入れて小踊りする場面とかも凄いのだが、逆にゆっくりした動きの際の、十二分な溜めに、鍛え抜かれた体のすばらしさを感じた。 生オーケストラならではの臨場感、特に管楽器や、トライアングル、鉄琴など舞台とリンクした楽器のフェードイン、フェードアウトのタイミングも凄くよかったし、二番目の演目、薔薇の精で、少女が寝室に入ってきた後窓の外から一陣の風がさあっと吹き抜けカーテンがふわっと揺れるシーンなど、細部に亘るまで心遣いが十二分に行き届いていて、感動的な舞台だった。 演目も今の季節にぴったりだったし。カーテンコールも掌が痛くなる程何度も何度もあったけど、首藤氏を始め今日の舞台に関わられた全ての皆さんに敬意を込めて、手が真っ赤になるまで一生懸命叩いていました。 プロのバレエの生の舞台の醍醐味に、思いきりはまってしまいました。お金を貯めて、必ずまた見たいと思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2006年04月12日 23時57分00秒
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