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カテゴリ:高知新聞
早稲田大学3年の圭子さんが、国の交流事業で畑山を訪れたのは2004年秋。迎えたのは白髪が交じり始めた頭にねじりはち巻きをしめたせいちゃんだった。地道に続けた土佐ジロー肉の料理がメディアでも紹介され、実を結び始めていた。 「自分が畑山を背負うちゅう」。せいちゃんは圭子さんに思いを熱く語る。圭子さんはその姿をどこかうらやましく、格好良く思った。愛媛新聞社に入り、政治部などで忙しい日々を過ごすようになってからも、圭子さんは畑山を時折訪ねた。疲れ果てていても、畑山でせいちゃんと話せば、自然と力がみなぎった。 今年6月。6度目の畑山。ちょっと酔いすぎたせいちゃんが冗談を飛ばした。「今なら来てもいいよ」 せいちゃんは翌日すっかり忘れていたのだが、圭子さんは、初めて自分の中の思いに、気がついた。愛媛に戻った後、電話で尋ねた。「畑山で迎えてくれるなら、従業員なの?嫁なの?」 「仕事が嫌になって来るのやったらいかんよ」「もうちょっと落ち着いてかんがえや」と、それまでなだめていたせいちゃんも、覚悟した。「従業員じゃないよ」 手を握ったこともないうぶな2人は、7月に桂浜などで初デートした。婚姻届を出したのは、その中旬のことだ。 せいちゃんは、畑山を出てもいいと思える初めての女性に出会った。でも畑山を離れることは、きっとない。その人は、畑山で働いて、生きるせいちゃんが好きなのだから。
土佐ジローを世話する2人
幸せで自然と笑みがこぼれる小松靖一と圭子さん夫妻
土佐ジローや古里のことになると冗舌。ただ、恋愛のことになるとちょっと口下手。知らず知らずに年齢を重ねた男性に、人生の春がやって来た。せいちゃんこと、安芸市畑山の小松靖一さん(52)。この夏、愛媛県宇和島市出身の元新聞記者、藤田圭子さん(27)と電撃結婚を果たした。年の差25歳。いずれも初婚。シカやイノシシ、土佐ジロー、おんちゃん、おばちゃんらに囲まれて、うぶな2人は、新たな日々をスタートさせた。 2010年11月19日 高知新聞より 安芸市畑山は、国道から別れ、狭い曲がりくねった道を40分余り、わずか60人足らずの集落である。 しかし、出会いは不思議なものですね。 土佐ジローの子作り、夫婦の子作りも頑張ってほしいですね。 ちなみに私もせいちゃんと同じ52歳です。
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