テーマ:映画館で観た映画(8536)
カテゴリ:観ました^^*☆
『 クライマーズ・ハイ 』とは、登山時に興奮状態が極限まで達し、 恐怖感が麻痺してしまう状態というのだそうである。 『 半落ち 』、『 出口のない海 』の作者、 横山秀夫氏の最高峰と言われる作品で、 横山氏が '85年夏、地元の群馬地方紙の社会部記者として、 あの日航機墜落事故に遭遇、取材に携わった実体験をもとに執筆された衝撃作。 ( 私は未読 ) あの日航機事故が起こった夏 ―― 。 私は、結婚後に、元々第一志望であった企業の支社採用をしていただき、 企画広告制作業務に携わっていたが、外部ブレーンさんから引き抜きを受け、 なんとかその企業を円満退職の形に持って行き、 その御方と大きな夢を共有して会社を設立し、独立しようとしていた。 ところが、その直前に思いがけず上の少年を懐妊したことが判明する。 出産前後、そしてその後と、どうなるか判らないような妊婦を相棒として 会社を設立するようなリスクは犯せない、と、引き抜きの話は流れ、 元々の第一志望であった企業も退職の運びとなり、 私は、失意と凄まじい悪阻とで、のた打ち回る日々だった。 独身時代はずっと忙しく、カープ戦をラジオで聴く位で、 殆どTVを観ることもなかった私であったが、 この時期、失意のどん底で、何も考えたくなくて、本も読めず。 朝から家に在る、ということにも慣れず、 ただ気を紛らわせたくて、何か音を鳴らしておきたくて、 よくTVを付けるようになっていた私は、 日航機事故のニュースに遭遇し、大きなショックを受ける。 4名の方々の救出では、涙が止まらず、 。。。申し訳ないことながら、この不幸な事故を連日観た私は、 大きな夢が潰えたことなど、何するものぞ。 こんなことぐらいで「 どん底 」なんて言ってられないことに気付き、 今、自分が生きて在ること、がどんなに僥倖なることであるか、を識り、 そのことに感謝することができ、 自分の胎内に息づいている いのち を大事に育もう、と思えたのである。 『 クライマーズ・ハイ 』では、 日航機が墜落した県を地元とする、地方紙の記者たちが、 報道の在り方 ――「 地元紙 」であることの誇りと意地。 【 事実を自分たちの眼で観て自分たちの言の葉で書く 】ということ。 自分がひととして働く、ということ、ひととして生きる、ということ。 そんなようなこととは、どういうことか、を とてもリアルにシビアに描き出し、こちらにストレートに投げ掛けて来る。 主人公の現在と、'85年夏の情景とが交互に描かれて行くのだったが、 最初に主人公の同僚が主人公と会話を交わし、 『 クライマーズ・ハイ 』についても語るシーンで、 惜しいかな、ぼそぼそと聞き取りにくく、何を言っているのか判らない。 あれさえ、きちんと聞こえていたら、 この作品の最初から最後まで一貫して流れているトーン、テーマが、 よりこころの奥深くに届いたのに、と残念。> 高嶋政宏 特筆すべきは 堺雅人氏。 『 新選組!』の山南役から注目していたけれど、 あの美貌と氷の微笑は、より凄みを増し、 つるんとした美貌に深みも出て、 素敵な俳優さんになられたと思う。 観終わって、夫 も私も暫し無言。 ホールまで出て初めて、「 観て良かったーーー 」と言い合う。 掲示されている『 クライマーズ・ハイ 』の解説から夫が離れないため、 パンフレットを買ってあげる。 それからいつもの(笑)番茶のソフトクリームを食べて、 くるくるまわるお寿司を食べて帰宅。 夜は、柳本JAPAN。 * 個人的には、あの締切前のてんやわんやは、 めちゃくちゃリアルで、凄い、と思った。 かつて企業案内や進学情報誌や就職情報誌を 制作していた私にとって、とても懐かしく感じられた。 私たちは短くて週1締切だったけれど、新聞は毎日。 なかみはもちろん、手にする層も全く違う。 そしてこういう事件となると、、、。 背負うもののスケールが違って来る。 やっぱり、凄いなぁと 思う。。。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[観ました^^*☆] カテゴリの最新記事
|
|